【鬼滅の刃】鬼になるなんてどうかしてる

伍話 オマケ ページ10

義勇・鱗滝side


「どう、思いますか」




『これは…………………』







******
義勇が突然幼子を抱えて帰って来た




曰(いわ)く、鬼に襲われた町で 他の子供を庇って倒れたのだと





“仲の良い子供を守った”


これだけなら別段おかしな話でもなかっただろう







────この子から鬼の匂いがしていなければ

の話だが






「生き残った者の証言からして 襲撃の際に
鬼になったのではないかと」






……となると 鬼へと変わり、更には傷を修復したばかりの飢餓状態にも関わらず人を庇った
ということになる




有り得るのか？



───否。 成りたての鬼にそこまでの理性は残

らない






だがもし、もし義勇が見込んだ通りなら




この子は…








***********




「短くなってるぅぅぅぅ！？」





──どうやら見た目と中身は違うようだ




しかしそれならば遠慮も要らんだろう





………試めさせてもらう






『うむ…………………致し方あるまい』






そう言って静かに抜刀する



「───ｯ！」




あちらも動きに気づいたようだが 僅かに遅い





そのまま一直線に頸を狙った




───ように見せて

微かに刃先を急所から左へとずらす。





だが





ｸﾞｻﾞｯ 「〜〜〜ｯ！」




(──腕を盾にして刀身を受け止めただと？)





『………なぜ己の腕を潰した？』



わざと隙を作った あれなら反撃とまではい

かずとも 自らが傷を、まして腕を失う程の傷を

負うこともなかっただろう









だがあの一瞬、少女が考えていたことは全く違っていた









「────なぜって？

これ以外！！ヒトを傷つけない方法

なんて思い浮かばなかったんだ！

しょうがないだろう！？」









あぁ──これは義勇の見立てが当たったやも

しれん





この傷で、これだけ血を失って




どれだけ腹が減っている？

なぜ人が喰いたいと叫び出さない？





それどころか 刀を向け己を斬ろうとした者で

あろうと無事を願うとは──






“優しい”のだろう 誰よりも



“違う”のだろう 他の鬼共とは







ならば今 問うべきはただ一つ









『今 この場で選べ


このまま鬼として斬られるか









───────鬼殺隊となり鬼を斬るか』

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