*はじめての 3【煉獄杏寿郎】

　101 ページ10

.







「......やはり追いかけるべきか」

Aが屋敷を飛び出してから
かれこれ一時間くらい悩んでいる。

刀を取りに戻ってくると思ったが
そんな気配もない。


＿＿＿あの方とはお付き合いされていたのですか？


ついつい正直に答えてしまったが
あそこは嘘をついた方が良かったのか？

こういう事はさっぱり分からん。

今度宇髄に聞いてみるか。


「兄上、ただいま戻りました！」

なんてグットタイミングなんだ！

「わわっ、........どうされましたか？」

「俺は悪くないと言ってくれ！」

「.....？」

「俺は悪くない！！」

「.....あ、兄上は悪くないです！！」

「うむ！！！！！」

千寿郎が言うなら間違いないな！

俺は悪くないようだ！

「夕食の支度をするのでそろそろ離れてください」

「すまない！今日の飯はなんだ！」

「肉じゃがと秋刀魚の塩焼きです！」


このタイミングで肉じゃがか....

またAの事を思い出してしまう。





結局飯を食べ終えても戻ってこなかったので
重い足取りの中、蝶屋敷に行った。

決して会いたくて行くわけではない。

刀を渡しに行くだけだ。


「失礼する！」

「おや、煉獄さん。
どうされたんですか？」

「Aの忘れ物を届けにきたのだ！」

「ずいぶんと大きな忘れ物ですね...
呼んでくるので少し待っていて下さい！」

ソワソワしながら待っていると胡蝶が戻ってきた。

「部屋を見てきたのですが
とてもぐっすり寝ていたので
刀は後で私から渡しておきます！」


「....そそ、そうか！では頼んだぞ！」





数分後



「失礼する！」

「...また来たんですか？今度はなんです？」

「やはりAを起こしてきてくれないか！
任務の事で話したい事がある！早急な案件だ！」

「私は忙しいので自分で行って下さい」

「そこをなんとか頼む！」



胡蝶はにっこり笑うとどこかに行ってしまった。


.

　102→←　100

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す