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「なにも正座する事はないだろう」
煉獄さんは固まる私を見てクスッと笑い、そっと抱き締めてきた。
「...そんなに緊張しなくとも別に取って喰ったりしないぞ」
「.....あっ、あた当たり前です......約束ですから」
「うむ、それにしても本当に身体が熱いな、水は飲んだか？」
「っ、.....はい、飲みました」
熱くて熱くて意識が朦朧としてしまう。
部屋が薄暗いのも悪い。
のぼせて暑いのか緊張して暑いのか
何が何だか分からない。
煉獄さんは私に抱きついたまま
ピタリと動かなくなってしまった。
「.....やっぱり暑いので少し離れてくれませんか」
「今は君を離したくない」
全身に煉獄さんの声が響いてさらに身体が熱くなってしまう。
「........では少し力を緩めて下さい」
「うむ！訓練で打った背中は大丈夫か」
背中に回された手がゆっくりと上下に動く。
頷くので精一杯だった。
「あっ、あのやっぱり水を飲んできます」
「.....離さないと言ったはずだが」
突然耳元で話すので咄嗟に身体がビクンと跳ね上がった。
「.....っ....み...耳元で話すのはやめて下さい......びっくりします」
「.........」
煉獄さんは優しく撫でるように
私の耳、頬、首筋にそっと口づけをしてきた。
「.....っ...な、何を」
「煽る君が悪いだろう」
「ま、待ってください...て、手は出さない....と.....」
「そんな事も言っていたな」
唇よりもさらに熱いものが首筋に触れた。
力が入らなくなり、声が漏れてしまう。
「....ん......っ、」
初めての感覚に身体も敏感に反応している。
それは段々と激しくなって行った。
少し乱れた煉獄さんの吐息と
首筋に吸い付く水音が耳に響いて頭がくらくらする。
「....っ...ん、やだ」
動きが止まり煉獄さんの髪が頬に触れた。
なんとなく嫌な予感がしたので
咄嗟に手の甲で自分の唇を隠した。
「......手をどけろ。
どけないなら無理矢理してしまうぞ」
「.........っ......」
私は唇から手を離してギュッと目を瞑った。
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作者名：もち
| 作成日時：2020年11月16日 19時
