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Aが突然思いもよらない事を言ってきた。
「......煉獄さんが楽しそうに他の女性と話し...ているのが....ぃゃ...で」
さすがの俺でもその言葉の意味をすぐに理解できた。
口下手であまり感情を出さないAが、
まさかこのような事を言ってくるとは予想もしていなかった。
Aは今にも泣きそうな顔で
足を竦ませ恥ずかしそうに下を向いている。
言葉に詰まっていると
喉の奥からやっと出したような声で
「今のは...こ、言葉の....綾と言うもので...深い意味はなくて、だから、わ、....すれて、下さい」
と言ってきた。
その姿を見て
たまらなく愛おしくなった。
「..........抱きしめていいか」
視線を逸らしながらゆっくりと頷くA。
そっと抱き締めるとドクンドクンと
激しい心音が聞こえてきた。
何故嫌なのか？とわざと聞いてみると
また、心音がうるさくなった。
「.........なっなっ、なんでそんな.....い、じわる...な事を.....聞くんですか」
困らせている事くらい自分でも分かっている。
ただ、どうしても君の口から聞きたくなってしまった。
コツンと額が重なる。
「......ｯ＿＿＿＿」
咄嗟に目を瞑る仕草がとても可愛らしい。
体温は俺より少し高い。
それがまたたまらん。
Aはゆっくり深呼吸をすると
じっと俺の目を見てきた。
相変わらず透き通ったように綺麗で真っ直ぐな瞳だ。
思わず息が止まる。
そして、とても小さな声で
「......れ、煉獄さんが......すき....だからです」
と言ってきた。
喜びが心の底から溢れるように
心と身体を満たしていく。
「ははっこれは参った」
Aは俺に釣られるように、にこりと笑った。
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作者名：もち
| 作成日時：2020年11月16日 19時
