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50話 炎 ページ50

そういってしぶしぶ挿してくれた
なんどか落ちてきそうになって肝が冷えたけど
彼なりに頑張ってくれたみたいだ



「、留まった」


『ありがとうございます!!
嬉しいなぁ〜、簪貰ったの初めてで』


「ならいい...」



義勇さんは息を吐いて座った
相変わらずここでも不器用だった
簪を挿してもらったのなんて私くらいだろうな

...と考えて初めて、蜜璃ちゃんを思い出した
今日の昼間に話したばかりで記憶が新しいためだ




「Aちゃん、冨岡さんのこと好きでしょう?」





脳内で蜜璃ちゃんのその言葉が思い出されて、
またもお茶を拭きこぼしそうになった
淑女らしからむ



「どうした」


『っな、なんでも、咽ちゃって』


「背中をさすってやろう」


『だ、大丈夫..ゲホッッ』




静かに義勇さんに背中をさすられて、
今までずっと何にも思ってなかったのに、
急に意識し出してしまった

どんどん顔が熱くなっていくのを感じる
冷静じゃない、
蜜璃ちゃんがあんなこと言うから...

だけどそれが的外れじゃなかったことに
気づいてしまったんだ



『すいませんっ、もう、大丈夫なので』



これ以上は耐えられない、とずいッと腕を引き離す


「茶はゆっくり飲んだ方がいいぞ」




義勇さんはぱっと簪に目をやって、
今さっき咽て傾いてしまったのに気が付いたらしく直してくれた
ぴたりと止まった位置に満足した様子で



「似合ってる」




と呟いて何事もなかったように座布団へ戻った


そんなこと、言う人だったっけ、
今までも義勇さんって、ずっとこうだった?

、、、全部が全部おかしく見えてしまってダメだ

感情がゆらゆら浮ついて、お茶も飲めない

私は冷静になろうと思い立って、



『私ッ!もう任務へ行きます!』


「まだ鴉が来てないだろう」


『用事を思い出して!なので、失礼します!!』


「A落ち着きがないな、風邪か?顔が赤い」


『いえいえいえそんなことは、任務の前に緊張しているのかも
心配ご無用です!!それでは、また!!!』




私は感情の勢いに任せて風を切って駆けた
早く頭も頬も冷やしてしまいたい


今一度、蜜璃ちゃんの声が頭に蘇って


「好きなのよね?冨岡さんのこと」



悶々とする頭の中で気持ちに整理を付けたら、
気が付いてしまった



もしかしたら私、



師範としてではなく、義勇さんのことが好きなのかも


って






いや、まだわからない



本当のところ風邪かもしれないし
うんそう風邪の可能性もある!!

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紗夜菜(プロフ) - はいっ!更新楽しみにしています。 (2020年4月21日 13時) (レス) id: feb92a0363 (このIDを非表示/違反報告)
紗夜菜(プロフ) - いえいえ、誰にでも間違いはつきものなので! (2020年4月21日 7時) (レス) id: feb92a0363 (このIDを非表示/違反報告)
紗夜菜(プロフ) - 冨岡さんの「冨」は、「富」では、ないですよ。 (2020年4月20日 17時) (レス) id: feb92a0363 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みそ | 作成日時:2020年2月3日 1時

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