逃がさないと言われましても 2【煉獄杏寿郎】

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その後炎柱様はぺろりとお弁当を平らげた。

お花見に来て本当に良かったなぁと幸せを噛み締めながら、今は屋台で買ってきたりんご飴を舐めている。




｢そうか！やっとやる気になったか！｣

｢はい！明日からみっちり柱稽古です！！｣




本格的に鍛錬に取り組む事を報告すると炎柱様はとても喜んでくれた。



｢君がやる気になって宇髄も喜んでいただろう！｣

｢はいとても！！昨日もどうすっかなァーって嬉しそうに私の訓練計画を立てていました！｣


それは宇髄の真似か？なんて言いながらクスクス笑う炎柱様。




そんなこんなで気づけばもうすぐ日の入りの時間。




よしそろそろアレを聞いてみよう。




｢·····あ、あの！！突然ですが一つ質問してもよろしいでしょうか！！｣

｢うむ！！何個でも聞きなさい！｣




炎柱様とお花見に来たら
絶対に聞こうと決めていたことがあった。

ずっと頭の中でモヤモヤしていたこと。


＿＿＿それは









｢ずばり炎柱様は私の事が好きなんでしょうか···？！｣


｢ん゛、｣







もし好きだと言われたら私も好きだと伝える。

そう強く心に決めていた。

ちゃんと確認しておきたかった。

じゃないと、心が折れてしまいそうだから。





｢わ、私のこと····好きですか····？｣

｢突然どうした！もちろん好きに決まっているだろう！！｣



ち、違う。いや違わないけど···そうじゃなくて···




｢い、異性として····！でしょうか！｣

｢異性として？うーん、まぁそうなるだろうな｣

｢·····っ！！｣






もうこれは言うしかない。


炎柱様がせっかく答えてくれたんだ。


今言わなくていつ言うんだ。






｢じ、実は私も好きでして····！｣

｢····ははっ、そうか｣

今更なにを言っているんだ、と口角をあげて笑う炎柱様は心底勝ち誇ったような表情をしていた。



あたたかい大きな手が頬に覆い被さる。

その上にそっと自分の手を重ね、ごくんと息を飲んだ。








｢正式に私と·····お付き合いしませんか？｣







｢すまないが無理だ、それは前にも言っただろう！｣



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