逃がさないと言われましても 2【煉獄杏寿郎】

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「····っな、なにこれ」

昨日はついつい飲みすぎてしまった···
なんて思いながら朝風呂に入るため浴室に向かったのだが

胸元にはまったく身に覚えのない鬱血痕が複数ついていた。

記憶を掘り起こそうと必死に頭を回転させるも覚えているのは炎柱様に背負われた所まで。

つまりこの痕は屋敷に戻るまでの間に付けられたということになる。

はぁとため息をつきながらその場にヘナヘナ座り込む。


一体私に何があったのか······






＊＊＊




「師範！いつまで寝ているんですか····？！朝ですよ！起きてください！！」

『······んー····なに』

「なにって····今日から毎朝走りに行くと言ったのは師範でしょう！」


まだ5時じゃねえかなんて言いながら不意に手を引っ張られる。がくっと体勢が崩れ思いっきり師範の上に覆いかぶさってしまった。


「······っ」


『つか昨日の記憶あんの？』


「·····も、もちろん·····！」






『炎柱様だ〜いすき······だっけ？』


「······っ」



サーっと身体の中から血の気が引いていく。


師範が適当に言ってるだけだと思いたいけど私なら言いかねない。



一体私に何があったのか····





「そ、そりゃ好きですよ！炎柱様も師範もみーんな好きです！」



『····へえ？』


「って走りにいかないならこのまま二度寝しますが！！」



やだやだ、もうお酒なんて一生飲むものか。



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