お酒と甘えたくん (ページ5)

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嘘ばっか2 ページ5

もしも、この時が来たら。
ずっと決めていた。
俺は身を引こう。
だって、俺馬鹿やから、こんなことしかできへん。

家に帰ると、当たり前のように望はいなかった。
今日言わないと、ずるずるいってまう。

ガチャ

望「ただいまー」

その挨拶は何も変わらんくて。
これが、恋人としての最後の時間なんて。

流「望、ちょっとええ？」

望「ええで！どうしたん？」

流「…あんな、別れて欲しいんよ。
俺…好きな人ができたねん。」

なぁ、望。
幸せになるんやで。
望なら、いい彼氏に、夫に、そして父親になれる。
こんな俺に、たくさん幸せをくれて、
ありがとう。

言えない言葉の方が多くて、
なんでこんなに好きになってしまったんだろうなんて。
でも、俺にできることはこれくらいやから。
大好きな望にできることは、
背中を押してあげること。

大きく開かれた目。
ほんの少し。期待してる自分もいた。
まだ俺のこと好きなんちゃうか。
あの子は、ただの友達やで！って。

でも、そんなことはなかった。

望「びっくり…した…。俺も好きた人、できたんよ。やから、俺も…別れて欲しい。」

それは、2人を見た時からわかってた。
恋人やったんやで？望の笑顔見たら、わかる。
あぁ、あの子のこと好きやったんやなぁって。

流「おん、今までありがとうな。
幸せになるんやで？仕事はいつも通り、よろしくな」

望「流星も幸せになるんやで。」

流「おん、当たり前やろ？」

望がいないのに、幸せってなんなんやろ。

流「俺が出てくから、気にせんと使って」

2年前に2人で選んだこの部屋。
もう望がおらんのに、1人で暮らすなんて、
とてもじゃないけど、精神面がもたへん。