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得意げ ページ35

「…本当に何とかなるのかよ。」

ヨモギ「まぁ、見てなさいって。」

言われた通り、家に帰って来た。
詳しい事を聞いても微笑んで誤魔化すし、正直不安だ。
でも、俺の不安を他所に彼女はどこか自信のある顔をしていた。
部屋の前まで来て、鍵を取り出そうとする。

「あれ……?」

鍵が見付からない。
いつも入れている場所にはないし、他にありそうな場所を探っても鍵は出て来なかった。

ヨモギ「どうしたの?」

「…鍵が消えた。」

ゴソゴソとかばんの中を探っても探っても出て来なくて、だんだん焦っていく。
その時だった。

オバサン「A君、落とし物よ。」

後ろから声が聞こえた。
振り返れば、そこにはお隣りのおばさんが立っていた。
普段からお世話になっている人だ。

「ありがとうございます。」

オバサン「いいのよ、それよりそこの女の子可愛いわね。彼女?」

突然そんな事を言われて顔が熱くなる。

「違いますよっ!こいつは…」

ヨモギ「始めまして、A君の友達のヨモギと申します。今日はちょっとお手伝いしに来たんです。」

若干食い気味に言われた。
おばさんはあらそうなの〜と言って笑っていた。

オバサン「それで、お手伝いって何のお手伝い?私もやりましょうか?」

ヨモギ「ありがとうございます、でも大丈夫です。ちょっとダンボールでベッドを作るんです。」

(あぁ、なるほど。)

ダンボールならいっぱいある、それで作るつもりだったのか。
そう思った。

オバサン「何でダンボールでベッドを作るの?」

ヨモギ「今、留学生が泊まっているので。」

だから、この発言には驚いた。

ヨモギ「四人の留学生が泊まっていて、寝る場所が足りなくなったらしいんです。なのでそうしようと思ったんです。」

ヨモギはすらすらと嘘を付いていた。
嘘だと分かっていても、疑う事に違和感を覚える程だった。

オバサン「あらそうなの〜、早く言ってくれたら良かったのに。うちにもう使わない二段ベッドが2つあるのよ。いる?」

「えっ…いいんですか?」

いつもお世話になっているのに、そんな物を貰っても良いのか。
戸惑っていると、おばさんはいいのよと言った。

オバサン「息子達はもう使わないのだけど、まだ使えるわよ。良ければどうぞ。」

「…では、お言葉に甘えて。」

おばさんはその答えを聞いて、明日渡すわと言って帰ってしまった。

ヨモギ「ね?上手く行ったでしょ。」

ヨモギは得意げな顔をしていた。

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ソトド(プロフ) - ネコの大罪さん» 本当ですね…(´・ω・)気付きませんでした、ありがとうございます。頑張ります! (2019年3月7日 18時) (レス) id: 05a0b1f883 (このIDを非表示/違反報告)
ネコの大罪(プロフ) - すみません、37ページ「食費」で、トントンとロボロでは行かせないのところがコネシマとシャオロンやと思うんですが。違ったらごめんなさい。 あと、面白かったです。これからも頑張ってください! (2019年2月27日 8時) (レス) id: 340e6375ee (このIDを非表示/違反報告)
ソトド - 猫(=^ェ^=)さん» ありがとうございます!マイトですね、メモしておきます_φ(^^ )メモメモ (2018年10月29日 19時) (レス) id: 1f5401cbd5 (このIDを非表示/違反報告)
猫(=^ェ^=)(プロフ) - 何時も小説見させていただいてます!犬の名前は「マイト」とかどうですか?← (2018年10月29日 19時) (レス) id: 73160798da (このIDを非表示/違反報告)
ソトド - 玲奈の日記さん» ギリギリセーフです(^^)更新頑張ります! (2018年8月29日 21時) (レス) id: 1f5401cbd5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソトド | 作成日時:2018年7月1日 20時

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