60.友達 ページ25
薄い笑みを浮かべたテヒョンと目が合う。
「俺のこと、理解してくれる友達が欲しかった」
人を平気で殺す俺を、バケモノみたいな目で見ない。対等でいてくれる友達。
そしたら、おんなじ匂いのする人を見つけた。
その人も俺とおんなじでいつも一人で。
なんとなくだけど。
「Aなら、俺とちゃんと友達になってくれるかな。って気がした。ただの勘だけど」
いつもテヒョンがするみたいに。
わたしはテヒョンの手にわたしの手を重ねる。
「わたしも……テヒョンがはじめての友達」
「A、人殺したことないって言ったよね」
その言葉に、頷く。
「俺のこと、どう思った? 多分俺は今、Aを殺す必要があるならお前も殺せる」
「…………どうも思わない」
Vの目になったテヒョンの頰を撫でる。
あぁ、やっぱり彼は。ジミンさんに似てる。
「テヒョンがもしわたしを殺そうとしても、人の心なんて持たないサイコパスでも。わたしがずっと友達でいる」
わたしの言葉に、テヒョンは笑う。
「Aは、甘いね」
手に添えられたわたしの手を、テヒョンはつかんで頰をすり寄せる。
「甘くて、それで。壊れてる」
「うん」
「普通の人間の思考回路じゃないね」
「お互い様」
とっくの昔に壊れてしまった出来損ないの“ニンゲン”であるわたし達は、額をくっつけあって笑った。
「……やっぱり俺、Aは殺せないかも」
暫く笑って、テヒョンはわたしから顔を離す。
そして一回空を仰ぎ、またわたしを見て、その口を四角にして、言う。
「もし願いが叶うなら俺、自分の居場所を SNSで発信しても誰にも特定されなくて、誰も俺を殺しになんかこないフツウの高校生、になりたい」
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すぴやな(プロフ) - 蛇足ですが、もしよければ安室奈美恵さんのLove Storyという曲をお聴きになってみてください。雰囲気も歌詞も、私の思うこの二人の世界にとても合っていると感じました。曲だけで見てもとても心に染みる作品です。コメント連投失礼しました....応援しています。 (2018年8月15日 16時) (レス) id: 55e82045e4 (このIDを非表示/違反報告)
すぴやな(プロフ) - 夢小説で初めて涙腺が緩みました。どちらかと言えば夢小説は苦手だったんですがしろいさんのこの作品を通して感じ方が変わったような気がします。哀しくて寂しくて暖かくて甘い、素敵なふたりの物語を見届けられて幸せです。ありがとうございます。連載お疲れ様でした。 (2018年8月15日 16時) (レス) id: 55e82045e4 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ - とても良かったです! (2018年7月8日 14時) (レス) id: 4004b8cd1e (このIDを非表示/違反報告)
seajoongセジュン??(プロフ) - えっ…これは…ハッピー…エン…ド…? (2018年6月23日 12時) (レス) id: a43e5c801b (このIDを非表示/違反報告)
はる - 完結、本当にお疲れ様でした!こんなに感動するお話を読めて良かったです!!胸がドキドキしたりギュッとなったり、、、話の意味が深くていろいろ学べました!!新作も頑張ってください!! この作品が一番好きです!! (2018年6月17日 21時) (レス) id: 877a29c23d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろい | 作成日時:2018年6月9日 11時