59.普通 ページ24
「じゃあ、次は俺？」
テヒョンと目を合わせる。
「正直、そんな話すこともないんだよね。生まれた時から人を殺して生きることが普通だった。最初はほんとに子供の頃。護身術を親から習って、それから体術、ナイフの使い方、銃の撃ち方。親から教わったんだよ？ すごいでしょ、子供にそんな事伝える親いるのかってね」
自嘲気味に笑う。
「人を殺す事が悪いことって概念がないの」
テヒョンは続ける。
「俺にとっては、虫を殺すのも、人を殺すのもあんま変わらない。悪いと思ってないから余計タチ悪いでしょ？」
小学生の時。たまたま学校から帰ってる同い年ぐらいの子を見て、なんでかよく分かんないけど俺も学校に行きたいと思った。
それで、親に頼んだら、駄目だって。
けど、思い通りにならないなら、力尽くでそうすればいい。そんな思考に至るのはまさに親の教育のタマモノだと思う。
俺は躊躇しなかった。
親をも殺すこと。
俺には人を傷つける才能があったんだろうね。
息をしなくなった。俺に全てを教えたはずの父さんと血に塗れた俺を、母さんは震えた目で見てた。
あの顔、今でも忘れらんない。
まぁ、それで学校通わせてもらえる事になって。
中学のとき、なんだかクラスに馴染めなかった。
だって、皆んな育ちも思考回路も全く違う。
僕の普通は皆んなの普通じゃなくて、皆んなの普通は僕には普通じゃない。
波長が違う。って言うのかな。
みんながおんなじ服を着て、みんなが同調とかを求める中に俺は確実に浮いてた。
俺が思ってた以上に学校ってつまんないんだな。って思った。
でも、通い続けた。
「J-HOPEの言った通り」
俺多分普通の高校生ごっこに興じてたかったんだと思う。
学校にいる間は少しだけ自分が周りの人たちと同じでいれてる気がした。
Vじゃなくて、キムテヒョンでいられる気がした。
で、なんで楽しくもない学校に通い続けたのか、って考えたら。
多分俺、心の何処かでずっと欲しかったんだろうね。
「友達」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1362人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すぴやな(プロフ) - 蛇足ですが、もしよければ安室奈美恵さんのLove Storyという曲をお聴きになってみてください。雰囲気も歌詞も、私の思うこの二人の世界にとても合っていると感じました。曲だけで見てもとても心に染みる作品です。コメント連投失礼しました....応援しています。 (2018年8月15日 16時) (
レス) id: 55e82045e4 (このIDを非表示/違反報告)
すぴやな(プロフ) - 夢小説で初めて涙腺が緩みました。どちらかと言えば夢小説は苦手だったんですがしろいさんのこの作品を通して感じ方が変わったような気がします。哀しくて寂しくて暖かくて甘い、素敵なふたりの物語を見届けられて幸せです。ありがとうございます。連載お疲れ様でした。 (2018年8月15日 16時) (レス) id: 55e82045e4 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ - とても良かったです！ (2018年7月8日 14時) (レス) id: 4004b8cd1e (このIDを非表示/違反報告)
seajoongセジュン??(プロフ) - えっ…これは…ハッピー…エン…ド…？ (2018年6月23日 12時) (レス) id: a43e5c801b (このIDを非表示/違反報告)
はる - 完結、本当にお疲れ様でした！こんなに感動するお話を読めて良かったです!!胸がドキドキしたりギュッとなったり､､､話の意味が深くていろいろ学べました!!新作も頑張ってください!! この作品が一番好きです!! (2018年6月17日 21時) (レス) id: 877a29c23d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろい
| 作成日時：2018年6月9日 11時
