56.謝罪 ページ21
「来ないで……っ、いや、いやだ」
ゆっくり歩み寄ってくる僕に対し、その子は身を隠す様に丸くなった。
あぁ、なんだか猫みたいだ。
先程はっきりと顔を見たSUGAに少し似ている。
幼いながらも、端麗な容姿。
一目惚れ。という言葉が当てはまるのだろうか。
そして。
その恐怖に怯える様は、誰かと重なった。
……あぁ、僕か。
すぐ目の前に立って、彼女を見下ろした僕と、恐怖に染まった目と目が合う。
そこでまた何かが弾ける。
甘い、甘い。この子は、甘い。
何事か口から言葉を、というかきっと断片的なもう声にもならない悲鳴を漏らしてその子は意識を手放した。
…………欲しい。
その子を抱き上げ、そう思った。
僕を初めて、満たしうる存在。
Aの瞳が揺れる。
今の、Aだ。
「…………ここからは、Aも覚えてるでしょ。その日から数日後に君は目を覚ました」
まるで最初はほんとに野良猫みたいだった。僕になかなか心を開かなかった。
そして、そんなAはショックで記憶も失ってた。
ううん。自分の記憶に自分で鍵をかけてたんだね。君は。
正直、僕にとってAが何も覚えてないのは好都合だった。
「……分かるでしょ。僕が殺さなくても、ミンAが生きてる事がバレたら君は確実にこれからも命を狙われ続ける事になる」
けどごめんね。ほんとに僕には出来ないんだ。
「最初に予期した通り、君と暮らした毎日はほんとに幸せだった。人を殺すバケモノになった、愛を知らなかった僕を君はそれで満たして一瞬だけでも僕を只の人を愛する人間に戻してくれた」
Aは震える僕を抱きしめてくれる。
「あの時、殺してあげられなくて……本当にごめん……っ」
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すぴやな(プロフ) - 蛇足ですが、もしよければ安室奈美恵さんのLove Storyという曲をお聴きになってみてください。雰囲気も歌詞も、私の思うこの二人の世界にとても合っていると感じました。曲だけで見てもとても心に染みる作品です。コメント連投失礼しました....応援しています。 (2018年8月15日 16時) (
レス) id: 55e82045e4 (このIDを非表示/違反報告)
すぴやな(プロフ) - 夢小説で初めて涙腺が緩みました。どちらかと言えば夢小説は苦手だったんですがしろいさんのこの作品を通して感じ方が変わったような気がします。哀しくて寂しくて暖かくて甘い、素敵なふたりの物語を見届けられて幸せです。ありがとうございます。連載お疲れ様でした。 (2018年8月15日 16時) (レス) id: 55e82045e4 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ - とても良かったです！ (2018年7月8日 14時) (レス) id: 4004b8cd1e (このIDを非表示/違反報告)
seajoongセジュン??(プロフ) - えっ…これは…ハッピー…エン…ド…？ (2018年6月23日 12時) (レス) id: a43e5c801b (このIDを非表示/違反報告)
はる - 完結、本当にお疲れ様でした！こんなに感動するお話を読めて良かったです!!胸がドキドキしたりギュッとなったり､､､話の意味が深くていろいろ学べました!!新作も頑張ってください!! この作品が一番好きです!! (2018年6月17日 21時) (レス) id: 877a29c23d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろい
| 作成日時：2018年6月9日 11時
