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ふう、って呼吸と鼓動を整えた亮が私に向き合って、
まだ少し掠れた声で紡いだ。
「Aしかおらんねん、俺。
やから、お願い。
俺のもんでおって？」
ぽろり、とまるい涙を瞬きと同時に溢した亮。
こんなに大好きな人を、手放すつもりなんてこれっぽっちもないのに
当の本人は不安で仕方がないらしい。
亮の着ているシャツのボタンを２つ外して
すっかり焼けてる綺麗な胸板に唇を当てた。
いつか亮が、甘い雰囲気の中で教えてくれた。
胸へのキスは、独占の意味を持つのだと。
『これでAは俺のもんやからな』
チクリと甘い痛みが胸に走って、
亮が満足げに目を細めて微笑んで、
亮が残した所有の証が
なかなか消えなかったのをよく覚えてる。
突然の私の行動に、亮は潤んだ目をまん丸にしてるから
「私は亮のだよ。
亮も、私のでしょ？」
そう言ったら、嬉しそうに顔をくしゃりとさせて
「A〜っ」って私をその胸に抱き込んだ。
熱くて硬い胸板に耳をつけて聞こえてくる鼓動が
亮以外何もいらない、なんてバカなことさえ考えてしまうくらいには心地よかった。
痛くてもいいよ
あなたが最後に寄りかかる場所が私なら
どんな痛みも快感に変わるから。
fin
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jp0b1q(プロフ) - はじめまして！全部のお話、引き込まれて一気に読んでしまいました。緑さんのお話好きです。長編読んでみたいです！ (2017年10月17日 23時) (
レス) id: 5a2738edb2 (このIDを非表示/違反報告)
みく - これからも楽しみにしています！ (2017年8月13日 0時) (レス) id: 12fcc259da (このIDを非表示/違反報告)
みく - 秘密の恋人でとても感動して、好きになって今回これを読ませていただきました。語彙力と表現力にたけていらっしゃるので感情移入しぱなしで、本当に小説家になるべきだと思っています。錦戸君の話がとても好きです。今回のDVの話、胸がぎゅーっとなりました。 (2017年8月13日 0時) (レス) id: 12fcc259da (このIDを非表示/違反報告)
しあ(プロフ) - 初めまして。どのお話もとても引き込まれました。失楽園と罪と罰はせつなくて涙が出ました。安田さんのお話は優しく支配されるのが本当に怖かったです...錦戸さんのほうがまだマシだと思いました。これからも楽しみにしています。 (2017年3月20日 21時) (レス) id: 9ad432b9dd (このIDを非表示/違反報告)
Ossy.(プロフ) - 初めまして、こんばんは。いつも素敵なお話を楽しく読まさせて頂いてます。今回のお話で私が一番好きなのは安田くんの愛の囚人です。普段優しい人だからこそ狂気的な部分とのギャップに震えました（笑）次回のお話も楽しみにしてます。お疲れ様でした！ (2017年3月12日 0時) (レス) id: 4329435079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜音
| 作成日時：2017年2月24日 19時
