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すぐ傍でテレビの騒がしい音が聞こえているはずなのに
私にはすばるの声しか聞こえなくて
その声は突き放すように冷たいのに
私には「助けて」って言っているようにしか聞こえなくて。
嘘か本当か、なんて
どうでもよかった。
震える手を押さえつける彼を
瞬きすらせずに私の言葉を待つ彼を
助けたい、と思った。
膝立ちになって、彼の頭を抱きしめる。
初めて触れたすばるの頭は
想像はしていたけれどやっぱり小さくて
震えが収まるように少し力を込めて胸に抱き込んだ。
「大丈夫。
大丈夫だよ、すばる」
私の声は、あなたみたいによく響くわけじゃないけれど
どうかこの声が、彼を包んでくれたらいい。
自分の罪に怯える彼を
救えたならいい。
彼が背負わなければならない罪も罰も
全部代わりに私が背負えばいい。
「私が、守ってあげる」
無責任だと笑われても
そう思ったのだ。
この人がこれ以上傷つかずに済むのなら
これ以上怖いものを見なくて済むのなら
何だってできると思ったのだ。
おずおずと華奢な腕が腰に巻きついて
縋り付くみたいに抱きしめ返される。
そこからはもう、言葉なんていらなかった。
震える唇が初めて重なって、
剥き出しの肌が触れ合って、
これ以上ないくらいにお互いを求め合って。
薄くて華奢な身体でも
すばるはちゃんとオトコで
隙間を埋め合うみたいに熱を交えて
何度か揺さぶられた後に
私の首に、すばるの細い指が添えられた。
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jp0b1q(プロフ) - はじめまして！全部のお話、引き込まれて一気に読んでしまいました。緑さんのお話好きです。長編読んでみたいです！ (2017年10月17日 23時) (
レス) id: 5a2738edb2 (このIDを非表示/違反報告)
みく - これからも楽しみにしています！ (2017年8月13日 0時) (レス) id: 12fcc259da (このIDを非表示/違反報告)
みく - 秘密の恋人でとても感動して、好きになって今回これを読ませていただきました。語彙力と表現力にたけていらっしゃるので感情移入しぱなしで、本当に小説家になるべきだと思っています。錦戸君の話がとても好きです。今回のDVの話、胸がぎゅーっとなりました。 (2017年8月13日 0時) (レス) id: 12fcc259da (このIDを非表示/違反報告)
しあ(プロフ) - 初めまして。どのお話もとても引き込まれました。失楽園と罪と罰はせつなくて涙が出ました。安田さんのお話は優しく支配されるのが本当に怖かったです...錦戸さんのほうがまだマシだと思いました。これからも楽しみにしています。 (2017年3月20日 21時) (レス) id: 9ad432b9dd (このIDを非表示/違反報告)
Ossy.(プロフ) - 初めまして、こんばんは。いつも素敵なお話を楽しく読まさせて頂いてます。今回のお話で私が一番好きなのは安田くんの愛の囚人です。普段優しい人だからこそ狂気的な部分とのギャップに震えました（笑）次回のお話も楽しみにしてます。お疲れ様でした！ (2017年3月12日 0時) (レス) id: 4329435079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜音
| 作成日時：2017年2月24日 19時
