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いや…確かに、張り切ってメイクしようって言ったけどさ
これ、なんか…スゴくない？？？
「んははは。すげぇメイク！イケメンが台無しじゃん！」
「これくらいやりゃ、誰だか分かんねぇだろ。」
「そうそう、バレるとマズいもんね。これくらいしなきゃ！」
にしてもさ、やり過ぎじゃね？
顔に大きな傷作って、顔面血まみれで笑ってる藤ヶ谷…
色んな意味で怖いんだけど！
「なぁ…ホントに行くの？」
「えー！今更それ言う？」
「そうだよ。もうメイク完成するからね！」
だよな
鏡に写る俺も、もう誰だか分かんないくらいのゾンビ…
って、んんっ？！何気に俺、女装させられてね？！
「北山ってゾンビになっても可愛いね。」
「なっ…///」
何言ってんだ、コイツ///
「さ、出来たよ。二人で楽しんで来てね！」
「え？ニカと千賀は行かないの？」
「え？行かないよ？」
「行くわけないじゃん。」
「…」
行かねぇのかよ！
お前ら行かないと藤ヶ谷と二人っきり…
「北山…俺と二人じゃ、ぃ…」
「嫌じゃないっ！嫌な訳ないっ！」
頼むから、血まみれの顔で悲しい顔すんな…
マジで怖いから…
「じゃあ、そろそろ行く？」
「…ん。」
「みっちゃん、せっかくだから楽しんでおいで。」
あぁ…横尾さんの笑顔に癒される…
藤ヶ谷も他のメンバーから、「頑張れ」だの「しっかり」だの言われてる
だから、何を頑張るんだっての
笑顔の5人に見送られて
帽子をいつもより目深に被って、夜逃げするみたいにコソコソと楽屋を出る
エレベータを呼んで待ってくれてるスタッフの所まで廊下を二人でダッシュ！
走り込んだ瞬間に、抜群のタイミングでエレベータの扉を閉めてくれたお陰で、俺達は二人きり
誰もエレベータに乗って来ませんように…
入って来た時にこんな二人がいたら、ドッキリどころじゃ済まねぇよ…
「なんかドキドキするね。」
「だな。………藤ヶ谷さぁ、…」
「あ、そうだ。街に出たら藤ヶ谷呼びは禁止ね。」
「え？」
「バレるとまずいだろ？」
「あぁ…」
「俺、ひろって呼ぶから。」
「ひろぉー！？」
「北山は俺の事、たいって呼んで。」
「た、たい！？」
「練習しとく？」
「……結構です。」
．
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作者名：MISA
| 作成日時：2017年9月26日 14時
