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そうだよ
あの時からだよ
あの時は変な事ばっか言ってるなぁって思っただけだったけど、あの後からどんどん藤ヶ谷がおかしくなってきて…
やたら笑顔を向けてきたり、話しかけてきたり
今だって…
「………なぁ…」
「ん?どうした?」
「いや…なんかさぁ、最近…多くない?」
「…何が?」
「あ…えっと……ふ、二人でいる時間…とか?」
「そう?」
今までなら、俺が楽屋にいる時は、横尾さん達と楽屋の外にいる事が多かったのに
「うん。それに…なんか……近くない?」
「そう?」
俺の隣に座って、優雅に本なんか読んじゃってる
メンバーも俺達を見ても、何も言わないし…
誰もおかしいと思わないの???
「………嫌?」
「い、イヤじゃないよ!そんな訳ないに決まってんじゃん!」
俺に向けた涼しい視線が、途端に不安の色を帯びる
それに焦って、必死に弁解する俺…
「…なら、良かった♪」
「………あはは…」
慣れねぇ…
マジ慣れねぇ…
何か、無駄に疲れる気がする…
「ずっと、こうしたかったんだよね。俺。」
「…そうなの?」
「うん。北山の隣にいると安心するし、落ち着く。」
…またなんか抱えてんのかな
コイツ、繊細なトコあるし、仕事でなんかあったかな…
「俺の隣で良けりゃ、いつでも空けるぞ。」
「うん。」
「何か仕事で不安な事でもあるなら、話聞くし。」
「ありがと。でも今は…ないかな。」
「そっか?」
「仕事では、ね…」
それって仕事以外では不安な事があるって事か?
けど、そこは俺が立ち入る事じゃないしなぁ
横尾さんの方が適任だろ
「うーん…」
「悩まないでよ。プライベートの不安は、こうやって北山の隣にいて消してるんだ。」
「そ、そうなのか?…そりゃ良かった…」
また訳分かんないループに入りやがった
何を考えてんだ?
ただ寂しいだけか??
さっぱり分かんねぇ!
「俺は、北山と一緒にいたいから、こうしてる。」
「はぁ…」
「北山と一緒にいると楽しい。」
「ははははは…。」
ホント、どうしゃったんだろ…
…ダメだ
ループから抜け出せん…
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作者名:MISA | 作成日時:2017年9月26日 14時