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俯いたまま楽屋に入ると





「あれ?ガヤさん呼びに行かなかった?」





俺に気付いた千賀が話しかけてきた

それをきっかけに皆が俺に視線を向ける





「うん。…来た。」

「一緒に帰って来なかったの?」

「あー、うん…。」





そっか…藤ヶ谷、迎えに来てくれたんだ…





「何かあった…?」





不安そうな皆の眼差しに、誤魔化しちゃいけない気がして…

いや、誤魔化したところで絶対返り討ちにあうのは目に見えてるから

正直に今あった出来事を全部話した





「あー、やっちゃったねぇ、ミツ…」





…やっぱり…藤ヶ谷のあの悲しそうな顔は俺のせいなんだ…





「で?そのメイクさんと付き合うの?」

「え?付き合わないよ。」

「じゃあなんでそうガヤに言わないの?」

「だって…」





言える隙なんて無かったよ…って言いたいけど

そんな事言えないくらい弟達の視線が痛い…





「ガヤの気持ち分かってんなら、すぐに言ってあげなきゃ。」

「うん。それじゃガヤさんだって怒るよ。」

「ガヤさんの気持ち踏みにじってんのと一緒だもんね。」

「ガヤ、可哀想。」





何だよ…皆して藤ヶ谷の気持ち、気持ちって…

段々、『気持ち』って言葉が暗号みたくなってきた…





「うぅー、そもそもさ藤ヶ谷の気持ちって何なの?」

「「「「…………………はぁっ!?」」」」





何よ?そんなに驚くことなの???





「まさかミツ、ガヤの気持ちに気付いてないの?」

「気付くも何も…」

「分かってないんだもんね。そりゃ無理だ。」

「マジか…。」





俺の言葉に一斉に肩を落として見せる皆

今まで黙って俺達を見ていた横尾さんまでも





「…ミツさぁ…今までのガヤの姿、どんな気持ちで見てたの?」

「どんな…って…」

「積極的にコミュニケーション取ろうって、頑張ってたでしょ?今までと違うガヤさん見て、何にも感じなかった?」





ますます厳しくなる弟達の視線に、言葉が出ない





「ミツ、セイ!」





…セイ!じゃねぇし

ヘラヘラして…ニカ、ムカつく





「…デビューしてから距離あったし」

「「「「「うんうん。」」」」」

「…色々藤ヶ谷には無理させてたところもあるから…」

「「「「「うんうん。」」」」」

「だから…」

「だから?」

「デビュー前みたく、俺に甘えたかったのかなぁ…って」

「「「「………………はぁ!?」」」」





はい、本日2度目の「はぁ!?」頂きました…





.

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作者名:MISA | 作成日時:2017年9月26日 14時

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