６日目 天使と相澤先生 ページ7
『…そろそろ見回りの時間だ。』
夜までなんて待てない
――――――
季節は夏の終わり、寮生活に突入した。毎晩担任が自分のクラスの寮を見回りに来るのを天塚は知っている。
「…ん、天塚か。自分の部屋で勉強しないのか？」
『何か落ち着かなくて…ここに居たら誰かしら来るかな〜って思って。』
そんなのは建前で、本音を言えば見回りに来る相澤先生を待っていたのだ。授業以外で話せる唯一のチャンス、逃す訳にはいかないと毎日リビングのソファーでぐだぐだしては待ち伏せをしていた。
『先生もう帰るの？』
「まだ仕事が残ってるからな、お前も課題あるだろ。」
『もう終わりました〜ねえねえ少し話しましょ〜？』
「…はあ、少しだけだぞ。」
予想外の答えが返ってきたことに驚きを隠せなかった天塚だがすぐにその表情は明るくなり、ルンルン気分で先生の腕を引っ張りソファーへと引きずり込んだ。
相澤先生も１年Ａ組の天使を前にしては断れる訳もなく、あれよあれよという間にソファーへと座らされる。実を言うとこんな風に寮で天塚と話をするのは今回が初めてではなく、以前も一度だけこんな事があった。
「そういえばお前いつもプリント忘れてるだろ…そろそろ成績に反映させるぞ。」
『えっ、次からは気をつけます…。』
ヒーロー基礎学の授業の時に生徒に配布してあるはずのプリント、天塚だけが毎回忘れてきている事を見逃すほど相澤先生は優しくはない。
天使だからという教師らしからぬ理由で数回は見逃していたが明らかにおかしいと気づいたらしい。他の教科の小テストなどの成績は良いのにどうしてプリントを忘れてしまうのかと疑問に思い始めた。
「俺の授業が嫌いか？」
『いやいやまさか、そんな事ないですよ！』
「じゃあ何でプリントを忘れてくる？」
『えっとそれは…。』
まさかこんな事を質問されると思わなかった天塚は、つい言葉に詰まってしまう。相澤先生と少し話すために忘れましたなんて口が裂けても言えない。
『ふ、復習です！復習！寝る前にプリント見てて、そのままベッドに置いちゃって…。』
「…そうか。次からは忘れるなよ。」
『は〜い。』
案外すんなりと納得してくれた相澤先生に、天塚はホッと胸をなでおろした。
『…俺も先生に稽古つけてもらいたいなあ〜。』
「お前は十分強いだろ、大丈夫だ。」
『でも、もっと実践的な事したいてす！』
「じゃあ授業に取り入れるよ。」
そうじゃないんだけどね。
――――――
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林(プロフ) - ユキヒメさん» コメントありがとうございます！完結済みなのに嬉しい；；相澤先生好きすぎて、書く作品ほとんど先生とくっついてます、、偏り、、 (2021年8月29日 23時) (
レス) id: 62a8050e41 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 椿さん» かわいい自慢の夢主くんです！ありがとうございます、、！（コメント気づかなくてすみません；；） (2021年8月29日 23時) (レス) id: 62a8050e41 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヒメ - うちの推しオチだったーーー！！やったーーー！！！夢主くん可愛い！可愛すぎて心配ね、、、ナンパとか、まあ相澤先生がなんとかしてくれる！ (2021年8月25日 21時) (レス) id: 6b0d7c3cfa (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 夢主くんかわいい…応援してます…!! (2019年10月8日 17時) (レス) id: 33631e1d2f (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 夜剣さん» うわああ嬉しいコメントありがとうございます…！更新頻度遅くて申し訳ないですが、これからも宜しくお願いします！ (2019年2月13日 0時) (レス) id: 14631dcafc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林 | 作成日時：2018年11月10日 23時
