２５日目 天使と大人な事* ページ26
『う゛っ』
「(相変わらず色気無いな…)」
誰だって初心者
――――――
翼が邪魔で仰向けになれないと告げた天塚、なるほど毎回一緒に寝る時横を向いて寝るのはこれが原因かと頭の中で納得した先生。しかし仰向けに慣れないと言われても、流石に初めてで他の体位というのは天塚にとってかなり苦痛ではないかと頭を悩ませた。
「毛布とか枕とか、背中の方に置けば少しはマシになんだろ」
『あ、本当だ』
それでもまだ少し窮屈そうだったが、ベッドにそのまま仰向けで寝かせるよりも幾分か楽ではあった。ベッド脇の棚の引き出しからボトルと小さい袋を取り出す。
天塚はそれを見て喉をゴクリと鳴らす。本当に今からするのだと、先生と行為に及ぶのだと実感させられたからだ。
『あの、俺あまりそういう知識とか持ってなくて…』
「良いよ別に、心配すんな」
自分でしたいと言い出した割に、知識は無いと自信なさげに喋る天塚がひどく可愛く思えた。天塚の腰横に手を置いて緊張をほぐす様にキスをすれば、控えめに震えていた肩も止まる。
ボトルの蓋を開けて少しだけ手のひらで温める。そして優しく、静かに指を差し込むと天塚は顔をしかめながら『う゛っ』と唸る。先生は「(相変わらず色気無いな)」と少し笑いそうになった。
「息、ちゃんとしろよ？」
『っふ、ん゛ん…』
うっすらと涙を浮かべる天塚は、手で口を覆い隠し必死に声を押し殺している。先生がもう片方の手でそれを退ける、下の意識を逸らさせようとキスをすれば少しだけ色気のある声が漏れた。
『っ、せんせ…こわい』
「…手、握るか？」
『んﾞ、うん…』
感じたことの無い圧迫感から恐怖を感じ、ぽろぽろと涙を零す天塚を宥めるように手を握る。ギュッと握られたその手はかすかに震えていた。
時間をかけて解していけば、天塚の口から出てくる声は次第に色を含み始める。気持ち良いと感じ始めているのは明白だった。
『あっ、もう、良いからぁ…』
トロトロにふやけた顔でそう告げた天塚。自分の下に伸ばされた先生の腕を掴んで次をねだった。ただでさえ限界寸前なのに、こんな可愛くねだられたらたまったもんじゃない。
「辛くなったら我慢しないで言え、良いな？」
『〜〜、はい』
自然と敬語になる天塚を見て、本当に自分の生徒と一線を超えるのだと実感させられた。いけない事をするのは相当な覚悟と勇気が要るものだ。
――――――
２６日目 天使と大人な事* 続→←２４日目 天使と次の段階 続
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 329人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
林(プロフ) - ユキヒメさん» コメントありがとうございます！完結済みなのに嬉しい；；相澤先生好きすぎて、書く作品ほとんど先生とくっついてます、、偏り、、 (2021年8月29日 23時) (
レス) id: 62a8050e41 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 椿さん» かわいい自慢の夢主くんです！ありがとうございます、、！（コメント気づかなくてすみません；；） (2021年8月29日 23時) (レス) id: 62a8050e41 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヒメ - うちの推しオチだったーーー！！やったーーー！！！夢主くん可愛い！可愛すぎて心配ね、、、ナンパとか、まあ相澤先生がなんとかしてくれる！ (2021年8月25日 21時) (レス) id: 6b0d7c3cfa (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 夢主くんかわいい…応援してます…!! (2019年10月8日 17時) (レス) id: 33631e1d2f (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 夜剣さん» うわああ嬉しいコメントありがとうございます…！更新頻度遅くて申し訳ないですが、これからも宜しくお願いします！ (2019年2月13日 0時) (レス) id: 14631dcafc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：林 | 作成日時：2018年11月10日 23時
