深呼吸 47回目 ページ8
「東屋少年…一緒にご飯食べよ?」
『お、乙女だ。』
オールマイトのお悩み相談室
――――――
午前の授業が一段落ついて皆は食堂へ向かい、教室には俺1人だけが残っていた。下手に大勢が集まる食堂なんかに行って、昨日みたく嫌な思いをするのはもうたくさんだった。
自分のリュックから今朝自販機で買った葡萄ジュースのペットボトルを取り出し、キャップを開けようとした時だった。教室のドアが静かに開いて、トゥルーフォームのオールマイトがお弁当を持ってひょっこりと顔を出した。
「東屋少年…一緒にご飯食べよ?」
『お、乙女だ。』
葡萄ジュースを片手にオールマイトの後をついて行けば、辿り着いた部屋には“生徒指導室”と書かれていた。別に何か悪いことをした訳では無いけど、なんとなく変な気分になった。
「午後の授業はまた特訓だろう?何か食べないと倒れてしまうよ。」
『そうですけど…その、食べる気になれないというか…。』
食欲はあまりない、でも食堂に行きたくない1番の理由は“周りからの目が怖い”から。俺の髪や耳、顔を見て向けられる白い目や胸が痛くなる言葉を発するその口が怖い。
「…何かあったのかい?」
『別に、なにも…。』
「相澤君がね…ひどく心配していたよ。」
『消太さんが?』
「うん。東屋少年の顔色が悪いからって教師寮に招いて話を聞こうとしたらしいんだけど…断ったんだよね?」
昨日工房から教室に帰る途中に何があったかなんて消太さんは知らないし、そんな事で気が滅入るくらい弱い生徒だと思われたくなかった。だから強がって教師寮に行くのを断った。
「まあ無理に話を聞き出そうとはしないよ…でもせめて相澤君にだけでも、話してはくれないかい?」
『…何も、無いですから。本当に。』
また嘘をついた。正直に話したいのに、変なプライドが邪魔してそうさせてくれない。ひどく胸が痛んだ。
「そうか…分かったよ。まあ何にせよ空腹のまま午後の授業を迎えるのはマズイね…私のお弁当で良ければ食べるかい?」
『いえ、悪いですよ…俺なら別に大丈夫ですから。』
俺は断ったがオールマイトはどうしても諦めてくれず、「ほら。」と言っておにぎりを2つ俺の目の前に置く。また断ろうとしたがオールマイトの大きな手がそれを阻んだ。
「いいから…食べなさい。ね?」
温かい笑顔を浮かべるオールマイトに負け、俺はゆっくりとおにぎりの包み紙を剥して食べ始めた。
――――――
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狐猫音。(プロフ) - 林さん» どんなふうに進んでも面白いのでやっぱり作者様が進めたいようにするべきですよね！家族愛が深いって羨ましいなあ。読んでて微笑ましくなりました。これからも頑張ってください。 (2018年10月16日 16時) (
レス) id: 1402817ddd (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 黒猫さん» 嬉しいコメント有難うございます^^いつか絶対番外編作るマンです! (2018年10月16日 3時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 家族愛でもBLでも良き(*´ω｀*) (2018年10月16日 0時) (レス) id: 77336b66d1 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 狐猫音。さん» 貴重なご意見ありがとうございます。しかし元のストーリーは維持して進めていきたいので、他の生徒には補習があったという追加設定のまま進めさせて頂きます! (2018年10月16日 0時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
狐猫音。(プロフ) - もういっそのこと仮免終わった設定にするとかどうでしょう。更新頑張ってくださいねq(^-^q)応援します。q(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! (2018年10月15日 22時) (レス) id: cef4739b2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林 | 作成日時：2018年10月13日 15時
