深呼吸 42回目 ページ3
『…寝れない。』
環境っていうのは大事
朝まで寝れない可能性アリ。
――――――
『…どうしよう、もう2時だ。』
これはやばい、眠れずに深夜の2時になってしまった。いつもなら消太さんの部屋に行くという選択肢があるが、この寮ではそんな選択肢は一切無い。
とにかくどうにかして気を逸らそうとベランダに出る。少しモワっとした変な涼しさを肌に感じつつ静かに溜息をついた。夜空を見上げて知っている星座をいくつか探していると、隣の窓が静かに開く音が聞こえた。ゆっくりそちらに目を向けるとそこに居たのは爆豪で、瞼を軽くこすっている。
『あ…ごめん、起こしちゃった?』
「…寝れないんか。」
まっすぐに俺の目を見て爆豪はそう言った。まさか言い当てられるなんて思っていなかったので、つい言葉に詰まってしまう。
「来い。」
『…へ?』
そんな俺を少し見てから爆豪は人差し指をクイクイと動かし、ボソっとそう言って部屋に戻る。爆豪の言葉を聞いた俺はまるで消太さんの部屋に向かうような弾んだ足取りで隣の部屋へ向かう。
鍵を開けていてくれたらしく、扉はすんなりと開いた。『夜遅いのにごめんね。』とベッドで横になる爆豪に小さい声でそう謝ると「いいから入れ。」と、それだけ言って目を閉じた。
部屋の内側に向かって寝ている爆豪に背中を向けるようにして横になると、俺の背中に静かに手が乗せられてゆっくりとさすり始めた。
「…相澤先生から“全部”聞いた。個性の事も、記憶の事も、最近寝つきが良くない事も、お前と相澤先生の関係の事も…。」
『全部、聞いたんだ…そっか。』
「いつもはあんな悲しそうな表情しねえ相澤先生が、俺にお前の世話を頼んできた時凄く悲しそうに話したんだ。」
『…世話?』
「教師寮に居るから俺たちの寮にはしょうっちゅう来れないらしい。それで「学校でしかAの様子を見れる機会がないから、頼む。」…って。」
『…そうだったんだ。』
「安心しろ、誰にも言わねェ。」
「先生は教師としてじゃなくて、保護者として…親としてお前の事を心配してんだ、多分。」
例え血は繋がっていなくても、親子と言うには首をかしげるような年齢だとしても、消太さんは確かに俺をここまで育ててくれて、俺の親だったんだ。
爆豪から全てを聞いた後、消太さんの事を忘れてしまった自分がが情けなくてひたすら泣いた。爆豪は静かに背中をさすってくれた。
「…思う存分泣けば良い。」
――――――
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狐猫音。(プロフ) - 林さん» どんなふうに進んでも面白いのでやっぱり作者様が進めたいようにするべきですよね！家族愛が深いって羨ましいなあ。読んでて微笑ましくなりました。これからも頑張ってください。 (2018年10月16日 16時) (
レス) id: 1402817ddd (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 黒猫さん» 嬉しいコメント有難うございます^^いつか絶対番外編作るマンです! (2018年10月16日 3時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 家族愛でもBLでも良き(*´ω｀*) (2018年10月16日 0時) (レス) id: 77336b66d1 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 狐猫音。さん» 貴重なご意見ありがとうございます。しかし元のストーリーは維持して進めていきたいので、他の生徒には補習があったという追加設定のまま進めさせて頂きます! (2018年10月16日 0時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
狐猫音。(プロフ) - もういっそのこと仮免終わった設定にするとかどうでしょう。更新頑張ってくださいねq(^-^q)応援します。q(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! (2018年10月15日 22時) (レス) id: cef4739b2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林 | 作成日時：2018年10月13日 15時
