深呼吸 56回目 ページ18
「フムフム…なるほど。」
『…また?』
圧倒的既視感
――――――
個性の特訓を無事終え、晴れて俺も今日からやっと必殺技の取り組みに入れる事となった。しかしどうしたのもか、良いアイデアが1つも浮かびやしない。
『そういえば工房行くの忘れてた…。』
つい何日か前、明に『また今度来る。』と伝えたっきり顔を出していない。それに正直な所、工房に行くまでの道のりが嫌で仕方なかった。
結局必殺技のアイデアが浮かばないまま今日の特訓は終わりを迎えてしまって、俺は工房に行こうか行くまいかと悩んでいた。うーんと唸っていると、肩をトントンと叩かれる。
「あのさ、東屋も工房行くの?」
『まあそんな感じかな。えっと…耳郎も?』
「…!ウチの名前知ってるんだ。」
『最近やっと皆の顔と名前が一致するようになってきたんだよね、話した事無い人も余裕でいるから意味無いけどさ。』
どうやら耳郎は俺が校舎の前で足を止めていたので、まさかコイツも工房に?と思い声を掛けてくれたらしい。優しすぎて涙出そう。
そんなこんなで駄弁りながら工房までの廊下を歩く。普通科の教室の辺りにさしかかり、俺は耳を隠すように髪の毛をいじり始めた。
そして何事もなく俺達は工房まで辿り着いた。すると俺の横で歩いていた耳郎がピタリと足を止め、どうしたのかと俺は振り返って尋ねようとした時に彼女は大きく息を吸ってこう言った。
「ピアス!すっごく似合ってるから!だから…隠したりする必要とか無いと思う!!」
「そりゃあさ、変な目で見られる事は有るかもしれないけど…でも、何て言うんだろ…。」
「……ああもう分んない!とにかくウチは東屋がピアスしてる姿、好きだから!!それだけ!」
そう言い終わった耳郎の顔は熟れたリンゴのように真っ赤になり、心臓がどんどん駆け足になっていく音が俺の耳に飛び込んできた。
恥ずかしくなったのか耳郎は駆け足で工房へと駆けこんで行く、まだお礼言ってないんけど。
――――――
『耳郎、さっきはありがとね。耳郎がああ言ってくれてさ…俺嬉しかった。』
「…へ!?」
パワーローダー先生と明が黙々と俺達の採寸をしている間、俺と耳郎は隣同士の椅子に座っていた。先程言えなかった感謝の気持ちを俺なりに伝えるなり、耳郎の顔はまたリンゴのように赤く染まっていった。
『へへ、耳郎の顔真っ赤。』
「うｯ､うっさい!」
――――――
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狐猫音。(プロフ) - 林さん» どんなふうに進んでも面白いのでやっぱり作者様が進めたいようにするべきですよね！家族愛が深いって羨ましいなあ。読んでて微笑ましくなりました。これからも頑張ってください。 (2018年10月16日 16時) (
レス) id: 1402817ddd (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 黒猫さん» 嬉しいコメント有難うございます^^いつか絶対番外編作るマンです! (2018年10月16日 3時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 家族愛でもBLでも良き(*´ω｀*) (2018年10月16日 0時) (レス) id: 77336b66d1 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 狐猫音。さん» 貴重なご意見ありがとうございます。しかし元のストーリーは維持して進めていきたいので、他の生徒には補習があったという追加設定のまま進めさせて頂きます! (2018年10月16日 0時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
狐猫音。(プロフ) - もういっそのこと仮免終わった設定にするとかどうでしょう。更新頑張ってくださいねq(^-^q)応援します。q(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! (2018年10月15日 22時) (レス) id: cef4739b2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林 | 作成日時：2018年10月13日 15時
