深呼吸 50回目 ページ12
『誰かが“化け物”って――』
耳を疑った。
涙が零れた。
――――――
side:相澤先生(ずっとです)
昨日からどこか顔色の悪いAを気にしていたら、今朝マイクが俺の顔を見た途端に「お前隈できてんじゃねえか。」と深刻そうに告げてきた。
マジかよ…と思い鏡を見れば、確かにそこに映る俺の目の下にはうっすらと黒い隈が滞在している。
「…Aの事か?」
「ああ、何か昨日顔色悪かったから教師寮で話聞こうと思って声かけたんだが…断られてな。」
「(好きな子に振られたみたいな反応かよ。)」
――――――
今日も昨日から引き続き仮免取得に向けた特訓で、肝心なAの担当は俺だ。正直聞かなければならない事ばかりだが訓練にあまり私情は持ち込みたくはない。
そういえば昨日Aに首輪や眼帯の新調を伝えたはずだ。発目なら1日で完成させかねないし、もしかして工房に行っていないのか?
「そういえば工房には行っていなかったのか?てっきり昨日行ったと思っていたが…。」
『緑谷とかも頼みに行ってたから時間かかると思って…それで後で行くことにした。』
相変わらず敬語は忘れたままか…でもまあこれから慣らせばいいか。ここから私情は一切持ち込まない、特訓開始だ。
――――――
捕縛武器で動きを止めようと仕掛けても、殴って動きを止めようとしてもAは全て避ける。恐らく心拍数の上昇による五感の発達によるものだろう。
「(この調子なら明日にでも必殺技に取り掛かれそうだな…。)」
良かったなんて思ったのも束の間で、Aの動きが突然止まった。今まで真っ直ぐに向けていた視線はどこか泳いでいて、遂に体育館の中心へと顔を向け始めた。
「動き止まってんぞ。」
俺は動こうとしないAに呼び掛け、個性を消して捕縛テープを腕に巻き付けた。ちょうど訓練も終わり、本人に動きが止まっていた理由を聞けば“聴覚が冴えすぎて予想外の音を拾ってしまった”らしい。
どうやら必殺技にはまだ取り掛かれなさそうだな、なんて明日のメニューを考えていると腕が掴まれ少し引っ張られる。
掴んだだけで何も喋ろうとしないAの表情は今にも泣きそうで、何となく何が言いたいのか見て取れた。
「…来るか?」
まるで誘導尋問するように問いかければAは何も言わず何度か頷いた。アイツが部屋に来る前に仕事片づけておかないとな。
――――――
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狐猫音。(プロフ) - 林さん» どんなふうに進んでも面白いのでやっぱり作者様が進めたいようにするべきですよね！家族愛が深いって羨ましいなあ。読んでて微笑ましくなりました。これからも頑張ってください。 (2018年10月16日 16時) (
レス) id: 1402817ddd (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 黒猫さん» 嬉しいコメント有難うございます^^いつか絶対番外編作るマンです! (2018年10月16日 3時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 家族愛でもBLでも良き(*´ω｀*) (2018年10月16日 0時) (レス) id: 77336b66d1 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 狐猫音。さん» 貴重なご意見ありがとうございます。しかし元のストーリーは維持して進めていきたいので、他の生徒には補習があったという追加設定のまま進めさせて頂きます! (2018年10月16日 0時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
狐猫音。(プロフ) - もういっそのこと仮免終わった設定にするとかどうでしょう。更新頑張ってくださいねq(^-^q)応援します。q(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! (2018年10月15日 22時) (レス) id: cef4739b2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林 | 作成日時：2018年10月13日 15時
