悪魔の悩み ページ9
エーミールside
「気持ち悪……い……ｯ…？」
「おん。…それで昔、嫌な噂流されて…。
ちょっと、辛かってん…。」
「…す、すみません…私…。」
「いや、エミさんは悪くないで。…ごめんな、こんな話…」
「…。私は…悪くないと思います」
「！」
「……自分の得意分野は、いつか必ず役に立つんです。
自分にしかできないやり方で得意分野を生かす時が必ず。」
「…ｯ……せやな…。ありがとう。」
「…ゾムさん。」
「？」
「貴方が辛い思いをしてまで、私に相談したんですからね。
先輩として…私も告白しますよ。」
「…。」
「グルッペンさんにも…まだ話していないんですが…。」
゛私、人間の使い魔なんですよ…゛
「ｯ人間！？…だ、だって人間って空想の生き物なんちゃうん！？」
「私だってビビりましたよ！…けれど…本当なんです。
…あ、秘密ですからねっ！」
「……エミさん！俺の話も秘密やでｯ！！…後さ。」
「？」
「俺も、その人に会ってみたい…。」
「ｯ…そうですか…。なら、今日、魔書館に集合ですよ！」
「！おん！！！分かった！じゃ、忘れんなよ！」
「はいはい、分かってますよ。」
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
Aside
「……。ホンマに大丈夫なんかなぁ…。」
あの時、エミさんに迷惑掛けてもうたかなぁ…。
「兎に角、外に出たら駄目やし…。」
…魔界…ねぇ…。行けるのなら、そっちで生活がしたいなぁ…。
そう思ってしまう。
…でも、エミさんに迷惑が掛かってしまうのだ。
例え死にそうになっても…。
彼を喚ぶことは…許されない。
これは人間と人間の争い。
悪魔であるエミさんを巻き込みたくないんだ。
「ごめんね、エミさん。」
そう呟くのであった。
時間は12時。…あぁ…もうそろそろ…喚ぶ時間かな。
「後5分したら喚ぼうかな。」
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
エーミールside
今日はグルッペンさんと関わらない１日だった。
下校時刻、ゾムさんとの約束通り、魔書館へと向かった。
「あ、エミさん。」
「…さて、では私の服に捕まっていてください。」
「な、なんか変な感じやな…？」
「あ、あはは…そうですよね…。」
ﾋｭｯ
『あ、お帰り。エミさ……。』
「…え、エーミール。…こ、この人が…人間？」
『え、何方？』
「いやこっちの台詞やけど…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わらび餅 | 作成日時：2022年12月13日 20時
