人間と悪魔 ページ4
エーミールside
「はぁ…。」
今は歴史の授業中。
相変わらず、戦争に興味のあるグルッペンさんは
目を輝かせて聞いている。
「はよ、終わんないかなぁ…。」
「！エミさん、珍しいな。いつもならウッキウッキしてんのに。」
「いやぁ…。その…。実は…ね。」
「？」
この事実を今、彼に話しても良いだろうか。
いや、まだ隠しておこう。
「最近、社会の勉強し過ぎてもうてさ。」
「あーはいはい。はよ進まんかなぁって？」
「そうなんですよね。」
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
授業が終わり、昼休み。
「エミさんさ、最近師団活動中にどこ行ってるんだ？」
「え？あ、いやっそのー生徒会室…。」
「フハハハッw！怒られてんのw？？」
「9割貴方のせいですけどね！」
はぁ…全く…。この人は世話の焼ける
「まぁ良いじゃないか！」
「良くないんですｯ！！！！
この新旧対戦に興味もない私を巻き込むとか…。
本当、いつも他人事ですよね、貴方は。」
「だ、だが助かっていることもあるんだぞ？？？」
「…はぁ…。まぁ私が決めた道ですからね。
生徒会に言われようが、先生に怒鳴られようが、
私が貴方という悪魔に付いていくというのは変わらないんですよ。」
「やっぱ、流石エミさんやな！！」
…。はぁ…。私は恵まれたのか、恵まれていないのか…。
どっちなんでしょうね、本当に。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
下校
「じゃ、また明日。」
「はい、また。」
ﾃｸﾃｸﾃｸｯ
「ここら辺なら、喚ばれても…。」
ﾋｭｯ
『エミさん！お帰り。』
「ただいま…何ですかね？A……さ…。」
『…えへへｯ…やっちゃった…。』
苦笑いをする彼女の顔には、複数の切り傷があった。
「…A…さん？…これは…？」
『気にしないで。使い魔のエミさんには関係ないから。』
「ｯ関係ない？んな訳ないじゃないですか。」
゛貴方は私のｯ主なのですから！！！゛
『…ｯ…ごめんね、エミさん。私…ここで生きれないかもしれない。
追い出されちゃうかもしれない。…ごめん。ごめんね…。』
涙をポロポロと流す彼女に、私は寄り添った。
「なら、私が居場所を作ります。
貴方が安心して、過ごせるように。我が主の為なら。」
『ｯ……ありがと、エミさん。』
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作者名：わらび餅 | 作成日時：2022年12月13日 20時
