小さな希望 ページ20
Aside
『…ねぇグルさん』
「？」
『人間って、悪魔にとっちゃ駄目なんじゃ、』
「バレなきゃ良いんだよ。」
『……食べられて…まうんでしょ、？』
「少なくとも、俺らは食わないけど」
『な、なん〈マズいかもしれないし？？？
『失礼やな…』
「仲間、だし」
『！』
「まぁ、食えって言うなら」
『言わん』
「まぁそうだろうな」
「気に入っているんだよ。エーミールが」
『？』
「いつもなら、何事にも引き気味なアイツが、
やけに乗り気で、楽しそうだった。
……。アイツ、楽しいことなんてないって
何度も言ってたんだよ。
「魔力は使いこなせないし、先輩としても駄目駄目や」って。
だから、お前という人材が来てくれて嬉しいんだよ。
お前ら、似てるし」
『………そうかなぁ、』
「……まぁ、困ったら言うことだな。」
「それと。」
『？』
「師団活動時間には、必ず顔を出すこと。
分かったか？？？？」
『当たり前でしょ！恩人なんだからさグルさんは』
「どちらかというとエーミールの方だが」
「いや私の居ないところで何を話しているんですか」
「『ぎゃっ！？』」
「そんなに驚きますか。」
『うん』
「まぁこれからの生活、楽しんではどうだ？
魔力使えるんだろ？」
『…まぁ、…偽りの、やけどね』
「まぁええやん！」
『うわシャオロン！！！！！？』
「偽りでも、ほぼ俺と同じやろ！！！
ええやん！な？気にせず使いこなせないしてや！！
それこそ、勝負やからな！！！
俺と、どっちが使いこなせるか！！！」
『ｯ望むとこですよーだ！』
ﾀﾞｯ
あぁ、ここなら上手くやっていけそうだ。
何でやろ。
明らかに向こうの方が楽なのに。
楽しく感じる。
あぁ、やっぱ悪魔、っていいなぁ。
悪魔でいたかった。
でも、バレるまでは。
きっと、その方が身のためだろう。
ありがとう、グルさん。エミさん。
私に居場所を与えてくれて。
End
終わり
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←悪魔、やから。
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作者名：わらび餅 | 作成日時：2022年12月13日 20時
