魔界へ ページ15
Aside
『もう、人間界に居たくないんや』
「！…何かあったか？」
『私さ、ここに来る前に、アパートに住んでたんよ。
その隣に荒れたお爺さんがいてね。
その人に、ずーーっと暴力振られとってさ…。
辛い、そう思ってた時にエミさんが来て…。
本当、救われたよね、あの時は…。』
「…エーミールが、なぁ…」
『…。でも、あのお爺さんとは離れたけど、
外に出るのが怖くなって…。
もし、また会っちゃったら、また痛い目に遭うって…』
「…。はははっ…昔の俺とそっくりだな」
『？…昔の…グルさん…？？？』
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
グルッペンside
小さい頃、俺は虐めに遭っていた。
勿論、Aよりはマシな方だったが。
エーミールとは長年の付き合いで、
小さい頃も仲良く遊んでいた。
…だが、ある日、エーミールが家に一旦帰った時。
公園にいた、俺よりも少し年上にラファイアで
服の端を燃やされた事があった。
「ｯな、！」
「ハハハハッw」
その後も、俺が遊んでいた木の棒を燃やしたり、
エーミールに貰った本を燃やしたりした。
そんな時、エーミールが帰って来た。
アイツは燃えた本を見ると、俺に問い詰めてきた。
「何でこんなことするんですか！！！」
「違っ…エミさ、俺はｯ…」
そんな俺を見て、ケラケラと笑うアイツが憎くて、
俺は自分の家系能力を使おうとした。
まぁ、エーミールに止められてしまったがな。
だが、そんな俺を見て、エーミールは分かったらしい。
「グルッペンさん」
「だ、から…っ…〈ちょっと目、瞑っててくださいね
あぁ言ってエーミールがニコニコ笑って帰ってきたっけ。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
『お、恐るべき悪魔…！』
「はははwまぁAにとっちゃそうだろうな。
だが、分かる通り、いい奴だろ？」
『…。せやね。グルさんの言う通り、やな。』
「だろ？」
『…どうする、もう喚ぶ？』
「あー…良いんじゃないか？」
ﾋｭｯ
「！…ただいま戻りました。」
「お帰り、エーミール」
『…なぁグルさん。エミさん。』
「「？」」
『私を………。』
続く…。
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作者名：わらび餅 | 作成日時：2022年12月13日 20時
