青き炎。 ページ20
Aside
ツゥ、とナイフが微かに動いて皮膚が少し切れた。
痛い。
その男は俺の肩を掴んでいた。
そんなとこ触んなよ。
目の前の炎のような光が不意になくなった。
その後、ガリッと引っ掛かれたような音が俺の真後ろ…男がいたところでした。
まだ自由の聞かない体は男から解放されるとふらついて倒れそうになった。
そうなった俺を、誰かが支えた。
この、気配。
「大丈夫かよい？」
「…マル…コ……。」
マルコは俺を横抱きにするとそのまま飛びやがった。
体が浮く感覚。
ちょっとなれなくて体が動けばしがみつくんだけどそれさえも出来なくてマジで怖い。
「ちょ、下ろせ…！！」
「町外れまでいくから待ってろい。」
そう言って町外れについたんだろう。
下りてベンチに座らされた。
「何か薬でも盛られたのかい？」
「…ああ。
多分、数十分もすればもとの通りになると思う。」
「顔も、殴られてるな。
嫌かも知れねぇがちょっとじっとしてろい。」
すると、マルコの手が頬に触れた。
ビクッ、っと思わず反応した。
頬が温かくなって痛みが薄れていった。
その次に首に触れてまた、痛みがなくなる。
「…何をしたんだ。」
「お前にはやったことなかったねい。
ちょっと治療したんだよい。
まぁ、まだちょっと痣は残ってるけどねい。
後は怪我、ないかい？
地面に押し付けられたりしてたが……。」
そう言うとマルコは頭とか背中とかを見て怪我がないかどうかを確認した。
多分、怪我はしてない。
どうしてだか、炎は眩しくなかった。
いつも、炎は眩しくて見ることができなかったのに。
明るくて、まともに見たのは初めてだった。
まぁ、分かったのは明暗くらいだけだったけど。そう言えば色の中でも青系統は眩しくないんだっけ。
「…すまなかったねい。
助けるのが遅れて。
怖かったか？」
「……大丈夫。」
怖くなんかない。
強がってる。
そんなのは分かってる。
そうじゃないとやってられない。
「…強がりはよせよい。
震えてるぞい。」
そう言ってマルコはまた、頭を撫でた。
また、だ。
優しい手つきで撫でられた。
安心するような、そんな手つき。
どうしてこんなに優しいんだろう。
子供の頃、やってほしかった。
誰でもいいから。
そう思うと、柄にもなく泣きそうになった。
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ユーリ - 一応、完結させましたけど続編も準備できしだいやりたいと思ってます！これからもよろしくお願いします！ (2020年5月6日 23時) (
レス) id: bff3cbdf0d (このIDを非表示/違反報告)
哀羅 - う〜ん！やっぱり気になる！この先主人公さんとマルコはどんな関係になっていくんですかね…。応援してます！更新楽しみにしてます！〔にしても先が気になる(>_<)〕 (2020年4月22日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅 - センチュリアでは化け物伝説として語られるほど主人公さん恐れられてたんですね…。少し切ないですね…。何かしらの理由があるんですよね？きっと。この先も一読者として応援してます！先が気になって気になって仕方ないです〔笑〕頑張ってください！ (2020年4月15日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅 - めちゃくちゃ先が気になります！！というか気になる一方です！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
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