こんなカッコダメなのに。 ページ16
Aside
「うま。」
「よく食うよい。」
「腹減ってたしな。
人の奢りだと思うと存分に食べられるしな。
何でこんなカッコさせたんだよ。」
「試してみたかったんだよい。
似合うか、どうか。
あのまんまじゃあお前、ずっと男のままで生きてくんだろい。そうじゃなくて女のカッコも一度ぐらいしたってバチは当たらねぇよい。」
美味しい飯を食べながら話す。
ダメなのに。
絶対、この服高かっただろ。あっさり金払ってたけどさぁ。
何でそんなこと出来るんだよ。
不憫だとか思ってんの？
「……バチ、ねぇ。
当たらなかったらいいんだけどな。
このカッコでどうやって船まで戻ればいいんだよ。」
「もういっそのことそのまんま戻ったらどうだい。」
「絶対そんなことしねぇよ。」
「…さっき着てた服なら預かってもらってるから帰るときによって着替えればいいよい。」
あの人は、今の俺を見たらなんと言うだろうか。
見たら、次こそ殺されるだろうな。
あの人は俺を心底憎んでる。
それだけのことを俺はしたんだ。仕方がない。だから、俺はいつか会えたときに許されるようせめてもの罪滅ぼしをしてるんだ。
許される訳がないが。
偽れば、あの人はまだ俺を見てくれた。
もっともっと笑顔でいればいいって思ってた。そうすればいつか。って。
こんな話、出来るわけない。
きっと、また捨てられる。
そんなの、耐えられないから。
「どうかしたかい。
固まってるぞい。」
「何でもねぇよ。」
つくづく、目の前のこの男は変なやつだ。
何がしたいのか全くもって分からん。
オヤジは娘と呼んでくれた。
そんなこと、初めてだった。
涙が出るくらい、嬉しかったんだ。
女として生まれて、男として生きる他なかったこの俺を。
嬉しくて、なぜか嫌に虚しくて、悲しくて。
強さを求めて手にした刀を船に置いて外に出たの、そう言えば初めてだったな。
どうして俺は女として生まれたんだろう。
この世に神なんかいない。
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ユーリ - 一応、完結させましたけど続編も準備できしだいやりたいと思ってます！これからもよろしくお願いします！ (2020年5月6日 23時) (
レス) id: bff3cbdf0d (このIDを非表示/違反報告)
哀羅 - う〜ん！やっぱり気になる！この先主人公さんとマルコはどんな関係になっていくんですかね…。応援してます！更新楽しみにしてます！〔にしても先が気になる(>_<)〕 (2020年4月22日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅 - センチュリアでは化け物伝説として語られるほど主人公さん恐れられてたんですね…。少し切ないですね…。何かしらの理由があるんですよね？きっと。この先も一読者として応援してます！先が気になって気になって仕方ないです〔笑〕頑張ってください！ (2020年4月15日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅 - めちゃくちゃ先が気になります！！というか気になる一方です！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
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