恥ずかしい。 ページ15
Aside
その後、散々着せかえ人形の如く着せ替えさせられ。ようやく、落ち着いた。
なんの服を着ているのかこっちには全く分からんが。
「似合ってます、お客様。
彼氏さんにお見せになったらどうですか？」
「いや、彼氏とか言うものじゃあないですよ。断じて。」
そう言われて仕上げ、と言われて化粧までさせられた。
絶対、似合わない。
男として生きなくちゃいけないのに。幸せになんかなってはいけないのに。
女としての幸せなんか望んではいけないのに。何で。
「………。」
「着せ替えさせた本人が黙ってるってどうよ。なんか言ったら？
似合ってねぇんなら戻って……。」
俺を見た瞬間、黙りこくったマルコにやっぱり、何て思って店に戻ろうとした。
すると、左手をぐいっ、と捕まれた。
「似合ってる、よい。」
「……は！？
んな訳、ねぇだろ……！！」
「いや、結構本当に。
ほら、折角島についたんだよい。
息抜き、するぞい。」
そう言ってそのまま手を繋がれた。
力強く、温かい手で。
どうしてこんなことをするのか。
理解ができなかった。
マルコの雰囲気とか気配はどことなく楽しそうで……俺にはその理由がさっぱり分からなかった。
似合ってる。
その言葉が頭の中を回ってる。
そんな馬鹿なことがあるわけない。
慣れない靴で歩き方もきっと変だし、何より俺は自分の顔も見たことがないんだ。
父親と母親がどんな顔だったかも知らない。
それについさっきまで男だったんだ。
似合うわけが、ない。
こんな格好をしたの、初めてなんだ。
今まで着ることを許されなかった。男として生きる他なかった。
着てみたいとも、思った頃もある。
それでも、今じゃそうとすら思わなくなっていたってのに。
足はスースーするし、本当に歩きづらい。
回りから見られているような雰囲気を感じるし何でこうなったのかと考える。
あ、そうか。
こいつにバレたのがそもそもの始まりだったんだっけ。
「どこかの店に入るかい？
今朝からなにも食ってねぇから腹へっただろい。」
「腹へった。」
「奢ってやるからいい加減機嫌を直せよい。
そんなに嫌だったか。」
「まぁ、色々あんだよ。
男に二言はないからな？ちゃんと奢れよ？」
「……分かったよい。」
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ユーリ - 一応、完結させましたけど続編も準備できしだいやりたいと思ってます！これからもよろしくお願いします！ (2020年5月6日 23時) (
レス) id: bff3cbdf0d (このIDを非表示/違反報告)
哀羅 - う〜ん！やっぱり気になる！この先主人公さんとマルコはどんな関係になっていくんですかね…。応援してます！更新楽しみにしてます！〔にしても先が気になる(>_<)〕 (2020年4月22日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅 - センチュリアでは化け物伝説として語られるほど主人公さん恐れられてたんですね…。少し切ないですね…。何かしらの理由があるんですよね？きっと。この先も一読者として応援してます！先が気になって気になって仕方ないです〔笑〕頑張ってください！ (2020年4月15日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅 - めちゃくちゃ先が気になります！！というか気になる一方です！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
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