The Mystery Girl

第64話 ページ24

山田side




とりあえず手術室の前にある長椅子に腰をかける。






手術室は看護師や医者が行ったり来たりと、






とても慌ただしくて、






桜苗になにかあったんじゃないかって不安になる。






あまりにも俺が落ち着きがなかったのか、






看護師「桜苗さん今頑張ってらっしゃるから、落ち着いて。」






そんなことを言われる始末。






情けねぇな…






だから大事な奴の1人や２人守ってやれねぇんだな。






そんなことを自分で考えて、自分で落ち込む。






急に寂しくなって、






ふと手術室を見る。






ドアを挟んだ向こうに桜苗はいるのに、






どうしても手が届かない。






近くて遠い…まさにこう言うことかって。






さっきまで背中にあった温もり。






雨に濡れても全然寒くなかったのに、






今になって寒くなってくる。









こんなにも誰かに会いたいって思ったのは、






初めてかもしれない。






別に付き合ってもないのに、、






こんなこと桜苗に行ったら






桜苗「何それ、意味わかんない笑笑」






ってとびっきりの笑顔を見せてくれるんだろうな。






膨らむ想像と、走馬灯のように巡る思い出。






＿＿俺の胸が一段と苦しくなっていく。

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