The Mystery Girl

第57話 ページ17

山田side




約1日ぶりに桜苗の声が聞けると、内心うきうきしていた。






しかし、電話から聞こえてきたのは






桜苗の声ではなくて、






ましてや女の人の声でもなくて、






野太い男の人の声だった。






びっくりした俺は、






「え？桜苗？？」






俺の発した声に反応したみんなが、






知念「どうしたの？なんかあったの？」






という知念の声を筆頭にざわざわしている。






『俺は如月桜苗じゃねぇよ。』






この声、どこかで聞いたことがある。









＿＿まさか…






「お前、藤ヶ谷か。」






『あぁそうだよ。』






「なんでオメェが…」






ここで俺の頭の中にはすごく最悪なことしか、想像出来なかった。






藤ヶ谷が…桜苗をどうかしてしまったんじゃないかって。






『早く廃工場に来い。』






「なんでだよ。」






『大切なやつ助けてやれよ。』






…この声には藤ヶ谷の思いが込められていたのか、






いつもに増して重たかった。






それに対して俺は全く状況が掴めない。






廃工場で何があったのか。






そもそも桜苗は何をしているのか。






なんで、藤ヶ谷がその場にいるのか。






わからないことだらけだった。

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