私のMyload２

僕の答え インクside ページ16

「さあ、二人とも。準備は良いかい？」


「ああ、大丈夫だぜ。」


「勿論なのだ！」


僕は筆を使ってオリジナルの世界への扉を開いた。


「ベリー、ハニー、帰ってくる時はこのインクを使って。」


そういってハニーに黒いインクの入った瓶を渡した。


「二人とも、気をつけて行って来てね。」


「必ず連れて帰ってくるさ、コイツもおっかねぇしな。」


「失敗したら許さないからな！」


「安心するのだラズ！俺様がついてるからな！」


「流石俺のリアルスター。…そんじゃ、行ってくるわ。」


二人は扉の向こうへと姿を消した。


「……まったく…こんなに心配かけるなんて、どうしようもない犬だAは。」


「し、仕方ないよロード…Aだって…自分から拐われに行ったんじゃ…。」


「なに、僕に意見するわけ？」(ギロッ


「ご、ごごごめんよロードっ！」


「…………ﾌﾝｯ…。」


何処と無く明るくなった雰囲気の二人に、僕は少し安心した。

それと同時に、罪悪感が僕の背後に這い寄ってくる。


「二人とも、本当に今まで良く頑張ったよ！後もう少しだね！」


「……まあ、お前も役に立ったんじゃないの？インク。」(ﾌﾟｲｯ


そっぽを向きながらラズベリーはそう言った。

役に立てたんだね、嬉しいな…嬉しい…筈なのにな。


「ありがとうラズベリー…だから"僕ら"の計画は此処までだ。僕はもうお役ごめんだよ。」


「…………！ロード下がって！」(バッ！


「…………！？」


筆を使って床からインクで腕を生やした…ドギーが庇って、ラズベリーは腕に捕まることはなかった。


「あれ？可笑しいな…不意討ちだった筈なのに。野生の勘ってヤツかな？」


「……どういうつもりだ、インク。」


「言ったでしょ？僕らの計画は此処まで、だから僕は君らとはもう協力関係に無いって事だよ。」


「へぇ…なに、最初からこうするつもりだったわけ。」


ラズベリーからあてられた殺気に、膝を付きそうになるのを堪える。


「最初は違ったよ。でも思ったんだ、僕はどちらかに偏っちゃいけない、平等な目で世界の全てを見定めなきゃいけないんだ…そうした時にね、分かってしまったんだ。」


嘘、本当に平等な目でなんて見てないよ。


そんなの僕の只の言い訳なんだ。


僕の行動の全てを正当化する理由が欲しいだけ。








「Aは必要ないんだって。」








だって正しいなら、嫌われない…そうでしょ？

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