クソ兄貴 マスカットside ページ1
俺の兄貴はクソだ、クソの中のクソ野郎だ。
何故かだと?フンッ…アイツは毎日馬鹿みたいにメープルシロップをガブガブ飲んでるメープル中毒野郎だ。
オマケに趣味の悪い猫耳の生えた被りモンをしているときた。
パイプも常に咥えっぱなし…はしたない、だらしない!
家ではゴロゴロソファーでずっと横になり、ノロノロ怠そうに何時も動く。
こんなクソみたいな奴に、俺が劣っているなんて…間違いにも程がある!
何で俺よりこんな奴がロイヤルガードのリーダーなんだ!
許せん!
絶対に許せん!認めん!
認めない…筈なのに。
「……貴様…馬鹿だろう。」
「それが助けられた奴の言う第一声なわけ?ホント、僕の弟って無駄に肝が据わってるよ。」
プカーっと甘ったるい煙を出しながらパイプを咥える姿に、イライラとした気持ちは積もっていく。
それをぶつけるように声を荒げて、俺はギュッと拳を握り締めた。
「あんな奴!俺だけでも殺せた!」
「死にかけだったのに?」
「……っ…!違う!少し油断しただけだ!」
「へー…油断なんて、随分余裕じゃない。」
何を言っても、まるで子供の戯言だとでも言いたげな声色で淡々と返してくる兄貴に、俺は惨めになっていくだけで…グッと唇を噛み締めた。
俺だって強いんだ…お前みたいなグータラなんかより…ずっと…ずっと…!
「………マスカット……。」
「うるさい!気安く呼ぶな!」
「……………マスカット……。」
「うるさい!うるさい!」
「じゃあ泣かないでよ、ねぇ。」
スッと目元を指で拭われ、俺はビクリと肩を揺らした。
ボヤけた視界には、くしゃりとした困り顔の兄貴の顔が映った。
「僕さ、兄弟を泣かせる趣味もないし面倒な事は嫌いなわけ…だから泣き止んでくれない?」
「……この怠け者が…。」
「……ハハ…仕方ないでしょ、これが僕の選んだ生き方なんだからさ。」
そう言って、引かれた手を俺は痛む位の力を籠めてギュッと握り返した。
「ねぇ、痛いんだけど。」
「態としてるからな。」
「嫌がらせ?幼稚だねマスカット。」
「そんな訳ないだろ…貴様の手を痛めつけて、ロイヤルガードの座から引き摺り下ろしてやるだけだ。」
「ハハハ!腕の一本や二本じゃ降りれるわけないでしょ。」
……何だか、こうやって話したのは久しぶりな気がするな。
仕方ない、今日は特別に俺がラザニアを恵んでやるとしよう。
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くらげ丸(プロフ) - 闇鍋ソースさん» プルトはメープルに対して恩返しを執着してますけど、フェールの事もちゃんと好きですよ! (2018年11月16日 23時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 鉄切り歌さん» 基本的にプルトは団長の為ならなんでもする感じなのです!うへへへ! (2018年11月16日 23時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - ナイフとパイさん» シリアスだよ! (2018年11月16日 23時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - まさか百合の存在しない世界線…! (2018年11月16日 18時) (レス) id: d08f07dbe3 (このIDを非表示/違反報告)
鉄切り歌(プロフ) - ふへへ……プルト×メープルですか?オイシュウゴザイマス← (2018年11月16日 15時) (レス) id: eac5d8e268 (このIDを非表示/違反報告)
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