赤目の悪魔 ページ7
「さぁて、楽しい狩りの時間としようぜぇ?羊さんよぉ…ヘヘッ…ヘヘヘッ…!」
パシパシと音を立てながら、斧を柄を手のひらに打ち付ける化け物…確か、ホラーだったな。
俺はソイツを見据えながら、ハッキリとした口調でこう言った。
「………お前の名前は確かホラーだったな、そして弟がシュガー…俺は出来れば無駄な戦いは避けたいと思っている。だから教えてはくれないか…何故、人間を食べるのか。そして禁忌をおかしたのか…。」
そう告げると、ホラーは目をギラリと赤く光らせ目付きを一気に変えた。
弄んでいた斧の柄をギュッ!と強く握り締め、思いっきり斧を振るってくる。
それを避けると、後ろに生えていた木の幹が一瞬で切り株へと姿を変えた…この力は…異常過ぎる。
タラリ…忘れかけていた焦燥感が、胸を埋め尽くした。
「………人間…だぁ?いいや、ちげぇさ……あれは…ヘヘヘッ…ヘヘヘヘッ!"羊"の肉なんだよぉ!」
「……クッ…!」
ガキンッ!
何とか反射的に取った剣で斧を防ぐ…ギリギリと不快な音を立てながら、お互いの力んだ振動が伝わってくる。
奴の目はまるで獣のように、飢えに支配された枯渇した瞳をしていて…俺は言い様のない恐怖に、またブルリと肩を震わせた。
「……アイツが待ってる…アイツが待ってるんだ…なあ、分かるだろう?なぁ?」
「………ぐっ……言った筈だ…無駄な戦い…はっ!しないと!」
一点に力を込め、剣で斧を弾き飛ばす。
クルクルと宙を舞った斧は、奴の遥か遠くへと吹き飛んでいった…この距離ならば、取ってくるなど不可能だ。
「さあ、諦めろ。俺はお前達に喰われる気はない…伝説の真実を確かめに来ただけだ。害を与える気はない。」
「………ヘヘッ……ああ、そうかい…だが王子様?……ヘヘヘッ…此処が俺のテリトリーだって事はぁ…忘れちゃいねぇよなぁ?」
ニィッと笑みを深めたホラーに、俺は剣をまた構え直そうとした瞬間だった。
首もとに、ツキッ!とした痛みが走り、ビクリと身体を揺らす。
「な、んだ……いま…の…は…。」
「ヘヘヘッ…ゆっくりと寝てなぁ?…美味しい美味しい…羊さん…ヘヘヘヘッ!」
奴の引きった笑い声を聞きながら、俺は意識を闇へと溶かした。
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ライリー(プロフ) - めっちゃ面白いです! (2021年6月28日 19時) (レス) id: 9a5c6df263 (このIDを非表示/違反報告)
シナモンよりバタスコ - タヌポンさん ま、まさか…私も同じだze☆ (2019年4月29日 16時) (レス) id: 22c81e1746 (このIDを非表示/違反報告)
タヌポン(プロフ) - やばい面白すぎるニヤニヤが止まらないわ笑 (2019年2月12日 2時) (レス) id: 95e2f45502 (このIDを非表示/違反報告)
るーさん(プロフ) - 更新気になるなあ…なんかあったのかな… (2019年2月5日 6時) (レス) id: a79aab8021 (このIDを非表示/違反報告)
SMAfox - 更新まだかな|ω・`) (2019年2月4日 18時) (レス) id: 8a01904c27 (このIDを非表示/違反報告)
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