散策 ページ4
「取り敢えず此処にずっと居ても埒があかねぇし…進むか。」
「マジかぁ…ちょっと不気味じゃね?さっきからガタガタ鳴ってるし。」
「な、何でこんなに照明も仄暗いんだろう…。」
引き気味になりながらも、私達はゆっくりではあるが歩きだした。
直ぐに開けた所に出た…あの写っている光は…プロジェクター?
「あ、ガタガタの正体はこの歯車か…まったくフザケんなし!」
「これは作画か何かか…?アイツの顔とかが描いてあるみてぇだが…。」
「マジか!えぇ!?なんでこっちダメなの!?こっちより絶対可愛いのにさ!!!」
「あ、見てヴァーナお姉さん。そこには立て看板まで置いてあるよ。」
「本当だ…こりゃ一体どうなってんだ?」
腰に手を当てながら息を吐き出したヴァーナちゃん…何でこんなにベンディの物が置いてあるんだろう…。
その時、私の頭の中に一つの言葉が浮かんだ。
「……アニメ制作……。」
「……?レッドさん、今なんて?」
「此処、もしかしてアニメ制作か何かをしてた場所じゃないのかな…もしそうなら、この作画とかプロジェクターも納得いくし。インク…も、何らかの関係性があるのかも知れない。」
「そっか!じゃあ、この立て看板とかもアニメがやってた頃に作られた物かも知れないね!」
「やってたって…何で過去形だって断言出来んだ、イリーナ。」
「だってこんなアニメ、私達見たいことないよ?それってつまり、今はもうやってないからって考えた方が妥当じゃないかな。」
「そう言われれば…確かに。」
イリーナちゃんの憶測を聞いて、私はあの時の言葉を思い出した。
君も僕のこと知らないの?
君も初めて見たの?
皆、僕の事忘れちゃってるよね。
僕はやっぱり、ずっと独りぼっちなんだ。
これは、ベンディが…昔何らかのアニメで登場していたキャラクターの一人だったから言えることじゃないんだろうか。
放送されなくなったから、皆に忘れ去られてしまって…ずっと独りぼっちだと泣いていたのかも知れない。
じゃあベンディの探していたヘンリーさんもアニメのキャラクターの一人…?
さっき見たポスターのキャラクターの事も気になるし…いや、そもそもこの考えが正しいのかはまだ分からない。
「ねぇ皆!こっちの歯車ある方に道が続いてるみたいだよ!」
ラブちゃんが指差した先には、また新しい通路があった。
「……よし、行くか。」
ヴァーナちゃんの掛け声と共に、私達は奥へと進んでいった。
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くらげ丸(プロフ) - メガさんさん» ……!?そ、それは凄いですね!!! (2018年10月5日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
メガさん - なんだろうまだ物語読んでないのにテンションMAX (2018年10月5日 18時) (レス) id: a26398fa33 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 闇鍋ソースさん» サミィィィィィィイイイイ!!!! (2018年10月5日 8時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - mk猫さん» ラブ「変態だって!?野郎ども急所を蹴りあげろ!!」 (2018年10月5日 8時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース - 変態サミーは思ったであろう「うわにこの美人さんいけにえにするより嫁にしたほうがいいんじゃないか?」…と (2018年10月4日 18時) (レス) id: c3d1155458 (このIDを非表示/違反報告)
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