分からない分からない サンズside ページ48
この視界いっぱいに入り込んでくる光景に、吐き気にも似た何かを覚えた。
真っ赤な大輪の花火が打ち上がった瞬間、重なりあった影。
ハニーの肩越しに見えた、少しだけ蒸気したAの頬。
溶けた瞳、白い首筋、微かに震えた指先。
全部が全部、目を背けたい筈なのに離せない。
何故か、苦しい位胸が締め付けられるのと同じく胸が高鳴った。
「……………。」
オイラは、ただ、謝ろうと思って追いかけただけだ。
それだけだ。
浴衣を着たAに目が離せなくなったからとか、皆に囲まれている姿にモヤモヤしたからだとか…けしてそんな理由じゃない。
ただ、純粋に仲直りがしたかった。
なのに、何で今はこんなにムカムカする?
これじゃまるで…まるでオイラが…。
「嫉妬してるみたいだ…。」
……何言ってるんだ。そんな訳ないだろう?
散々、あんなに言っておいて…顔まで見たくないなんて言っておいて。
好意が迷惑だなんて…言っておいて。
お互いの為になんて、卑怯な建前までしたんだぞ?
それなのに、ああ…。
この胸は未だに締め付けられる、苦しくて堪らない。
どうして?なんで?
オイラが好きなんだろ?だったらずっとオイラだけ見てれば良いじゃないか。
なんでハニーにそんな顔するんだ…まるで恋してるみたいに。
ハニーだけじゃない、他のやつにだって…無防備に晒したりなんてして。
本当はオイラじゃなくても良かったのか?それとも、オイラの性でこうなった?
グルグルと回る思考に、額に手を当てながらオイラは踞った。
……頼む、好きなんて言うな。
返事なんてするな。
これが恋かどうかなんて、オイラだって良く分からない…だって、まだオイラには好きな奴がいる。
その気持ちは変わらない。
でも…。
「……Aが…他の奴の物になる。」
そう思うと、ギリッと奥歯を噛み締めてしまう。
盗られたくない…もし、もしAがハニーを好きになったら。
きっとオイラには興味すら持たなくなるんだろう。
それは…嫌だ。
初めて会った頃の、あんな関係がずっと続きたかった。
柔らかい綿に包まれながら、誤魔化してまだ過ごせてた頃のように。
「贅沢な願い…だよな…。」
どっちつかずの自分が悪いなんて分かってる。
オイラはさっきよりも小さく踞りながら、耳を塞いだ。
もう、これ以上は…聞きたくないんだ。
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くらげ丸(プロフ) - サン(さっさん)さん» ハニ「お祝いすれば…イイと思うよ…。」 (2018年10月16日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
サン(さっさん) - ムン「えっとぉ…?(^^;)(;^^)これはお祝いすべきことかな?ぶち壊しにしたほうがいいのか…?」←←← (2018年10月16日 20時) (レス) id: 2069e0c86c (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - オスカーさん» ラブ「頭いい人の言葉は分からない病気なんだ、私。」← (2018年10月16日 18時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 三日月リンさん» ハニ「なんで!!?」 (2018年10月16日 18時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 鉄切り歌さん» ラブ「私はサンズさんエンドが良い!…筈!」 (2018年10月16日 18時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
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