壊れた過去(続編へ) ページ50
「フフフ…フフフフ…実に!実に順調だとも!」
モニター越しに見える、何とも憐れで可愛らしい子供達の姿に私はニッと口端を上げた。
もっとだ…もっと必要なんだ、あの小さな胸に秘めた輝くソウル達が…!
パリンッ!
突然響いたガラスの割れる音に、私は肩をビクリと揺らした。
一体、一体なんだ…?
床に落ちたソレを拾い上げ、私は手に取った。
落ちていたのは写真立てだった…机の上で資料を広げた際にでも落ちたのだろう。
「これは、これはこれは…。」
写真立ての中に入っていた写真に、私はソッと指を這わせた。
「懐かしいものだ…まだ、こんな物を取っといていたとは…。」
割れたガラス破片の向こう側で、仲睦まじく顔を合わせ笑い合う…Aとパプと私の写真。
こんな頃もあったものだ…今ではまるで嘘のように、この胸は何も感じないがね。
「とーちゃ、おしごと…いそがし?」
「んー?どうかしたのかい、パプ?」
「……んとね…ねーちゃとね、うんとね…。」
「フフ…ゆっくり喋ってごらん、ほら。」
「……うん…あのね、ねーちゃと…ごはんつくったの…だから、とーちゃもたべよ?」
「そうか、そうかそうか…じゃあ食べるとしよう。」
「……!うん////!」
「親父、また徹夜か…?」
「ああ、まぁね…明日までにコレをどうしても仕上げたかったものだから。」
「…………。」
「……A?」
「それ、貸してくれ…オイラも手伝う。」
「気持ちは嬉しいが…子供はもう眠る時間だ。」(ナデナデ
「……ヘヘッ…生憎、親父と一緒じゃないと今日は眠れなそうでな。」
「……フフフ…全く、誰に似てこんなズル賢くなったんだ?」
「そりゃ、親父だろ…?……ヘヘヘッ…。」
「とーちゃ、おれさま、おっきくなったら…とーちゃとねーちゃを、まもるんだぞ!とってもつよくなるのだ!」
「それは頼もしいな、パプ。」
「にぇへへ/////」
「そんじゃ、オイラはもっと賢くなって仕事を手伝えるようにでもするか。」
「ハハハ…Aはもう十分賢いだろう?」
「こんな頃もあったものだ…。」
私は写真ごと、写真立てをゴミ箱へと捨てた。
ゴトッ
やけにその音が、大きく聞こえた。
今更何も感じない、あの頃の私は死に…そして生まれ変わった。
もうあの子達の父親など、何処にも居ないのだ…。
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mk猫(プロフ) - レミィ「お前もソウルレスか、、、」 (2018年10月14日 18時) (レス) id: a5d9075f7e (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 自衛隊員さん» 果たしてどうなのか← (2018年10月14日 14時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
自衛隊員(プロフ) - ハニー→ケチャップ→グリルピーって感じですかね。ディ「かもな。」 (2018年10月13日 22時) (レス) id: d960d22aa5 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 鉄切り歌さん» ケチャップ「ヘヘッ…いやいや、まさかなぁ?」 (2018年10月13日 19時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 闇鍋ソースさん» ハニーはいっつもこうなんだよなぁ(←お前次第だよ。) (2018年10月13日 19時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
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