ホットケーキ ページ37
「Aだけ贔屓するなんて…はぁ〜〜…お兄ちゃん泣いちゃう!」
ヨヨヨっと泣き真似をしながら、ハニーが紙袋をドサッと机に置いた。
音的に、中々重そうだな。
「パップ、これ何が入ってるのだ?」
机に手を付ながら、背伸びをして何とか目だけ覗かせるベリー…微笑ましいな。
微笑ましいがハニー、その手のカメラを連写させるのはどうかと思うぞ?
破顔し過ぎだぞ、ハニー。
「んー?コレはさ、ホットケーキの材料が入ってんの。ほら、ちゃんとした朝ごはんまだだったでしょ?で、まあ…折角お客さんも来たわけだし久しぶりに手の込んだ朝ごはんでも作ろっかなって思ってね。」
「ホントか!?パップ、イチゴのソースは!?生クリームは!!?」
「もっちろん、バッチリ買ってきたよ。」
「やったのだー////!!」(パアアア
両手を上げてはしゃぐベリーの姿に、オイラも頬杖を付ながら口元を緩ませた。
バチッ!
不意に、破顔したハニーと目が合いオイラは苦笑いを返した。
ハニーはほんの少しオイラの顔を凝視すると、直ぐに目を逸らし袋を抱えてキッチンの方へと消えて行った。
「お利口さんに待ってろよ、ベリー?」
「ムェッ!俺様はそんな子供じゃないぞ!」
頬を膨らませて怒っているベリーの頭を、取り敢えずオイラは撫でておいた。
「はいよ、お待ちどうさん。」
コトリッ…机の上に置かれたホットケーキは分厚く、三段に皿の上で重ねられている姿はとても圧巻だ。
こりゃ、ベリーがはしゃぐのも納得だ。
「パップ!パップ生クリーム////!」
「はいよ〜。」
ハニー手渡された生クリームの搾り袋を興奮気味に握りながら、ホイップしていくベリー。
「さーて、俺も冷めないうちに食べよっと。」
そう言うと、ポケットから蜂蜜のボトルを取り出しドバーっとホットケーキがヒタヒタになるまでかけたハニー…ああ、うん。
まあ、人それぞれ…いや、骨それぞれだよな好みは。
ただ見てるだけで胸焼けを起こしちまいそうだな…ヘヘッ…。
「出来たのだ!名付けて俺様特製グレートスペシャルホットケーキタワーなのだ/////!」
「流石俺の弟、可愛すぎ。」(カシャカシャ!
美味しそうに食べている二人を眺めながら、オイラも一口放り込んだ。
まだヤンワリと湯気の立つそれは、口の中で優しく甘さを広げ溶けていった。
美味しい…なのに、オイラの胸はまだ何処か空虚感を感じていた。
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mk猫(プロフ) - レミィ「お前もソウルレスか、、、」 (2018年10月14日 18時) (レス) id: a5d9075f7e (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 自衛隊員さん» 果たしてどうなのか← (2018年10月14日 14時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
自衛隊員(プロフ) - ハニー→ケチャップ→グリルピーって感じですかね。ディ「かもな。」 (2018年10月13日 22時) (レス) id: d960d22aa5 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 鉄切り歌さん» ケチャップ「ヘヘッ…いやいや、まさかなぁ?」 (2018年10月13日 19時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 闇鍋ソースさん» ハニーはいっつもこうなんだよなぁ(←お前次第だよ。) (2018年10月13日 19時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
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