知らないことばかり サンズside ページ24
暫く立ち尽くしていたオイラだったが、我にかえり代金をカウンターに叩きつける勢いで置いて直ぐ様店を後にした。
少し息をあげながら走ると、小さくだがAの姿が見えた…何故ショートカットを使わなかったのか?
分からない…が、今は使わない方が良いような気がしたんだ。
「……A…!」
「ああ、サンズ…悪いなお前さんを置いてっちまって。」
許してくれよ、そう言って振り返ったAの顔にソウルがミシリと鳴ったきがした。
お前さん、なんて顔してんだ…まるで今にも…。
「……消えちまいそうだ…。」
「……何がだ、サンズ?」
「あ、いや…何でもないさ…ヘヘッ…。」
早口でそう言いながら、オイラは自分のポケットに手を突っ込んだ。
「なあ、A…。」
「なんだ…?」
「聞いても…良いか?向こうでのお前さんと…グリルビーの事。」
そう聞くと、Aは一瞬肩を揺らしたが、やんわりと笑みを浮かべながら口を開いた。
「グリルビーと…か、まあさっきの見ても分かる通りオイラとグリルビーは…恋人って奴だったのさ。」
「そう…なのか。」
遠くに視線をやりながら、静かにそう言ったAの横顔にオイラは目が離せなくなった…。
寂しげに伏せられた瞳、少し口端の下がった口元、哀愁の漂う顔が…何故だかオイラには綺麗に見えた。
「でもオイラからフッたんだ…別れてくれないかって。」
「どうしてそんな事、したんだ…お前さんを見る限り望んでそんな事はしなそうだが…。」
「………ああ……まあな…でも…。」
恋人が自分の性で殺されんのはもう、懲り懲りなのさ…。
ギリッと歯を噛みしめながら悔しそうにそう吐いたAに、オイラはそれ以上聞くことも話すことも出来なくなった。
「勿論分かってる、どんな風に殺されようとまた会う時、グリルビーは何も覚えていない。でもオイラは違う、全部覚えてる…夢に見るくらいに。だからダメなんだ…オイラはアイツの愛をもう受け取れない。受け取る資格もない…恋人だなんて…どの面下げて言えっていうんだ。」
ポツリポツリと、絞り出す声にオイラはポケットの中でギュッと手を握りしめた。
……オイラはとんだ大馬鹿だ、何が同じ境遇だ、何が理解者だ、何一つ分かっちゃいないじゃないか。
Aの苦しみを、オイラは何一つ…分かっちゃいないんだ。
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mk猫(プロフ) - レミィ「お前もソウルレスか、、、」 (2018年10月14日 18時) (レス) id: a5d9075f7e (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 自衛隊員さん» 果たしてどうなのか← (2018年10月14日 14時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
自衛隊員(プロフ) - ハニー→ケチャップ→グリルピーって感じですかね。ディ「かもな。」 (2018年10月13日 22時) (レス) id: d960d22aa5 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 鉄切り歌さん» ケチャップ「ヘヘッ…いやいや、まさかなぁ?」 (2018年10月13日 19時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 闇鍋ソースさん» ハニーはいっつもこうなんだよなぁ(←お前次第だよ。) (2018年10月13日 19時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
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