諦めるのは得意だ ページ17
「よぉ、調子はどうだ?」
「………ッハ…!?」
ボーッと歩いたら、目の前に現れたサンズにオイラは驚き尻餅をついてしまった。
痛くない…のは良いが、冷たくて最悪だな。
「おいおい、お前さん驚き過ぎじゃないか?」
「……そりゃ、気を抜いてるときに急に出てこられたら流石のオイラも驚くさ。」
差し出された手を握って立ち上がると、ズボンに付いていた雪を叩いて落とした。
その間、ずっとサンズはオイラの顔を凝視してくる…ああ、殴ったんだったっけな。
「……お前さん、それ…どうしたんだ?」
自分の頬をツンツンとつつきながら聞いてきたサンズに、オイラはヘヘッと笑いながらこう言った。
「なぁに、今みたいに歩いてたら木にぶつかってな…まったく…幾ら別世界とは言え"ボーン"とし過ぎちまったか?」(ツクテーン!
ウィンクしながらジョークを言った…が、サンズは笑うどころか顔を少し歪めるだけだった。
「そこは笑う所だろ、サンズ?」
「……ヘヘッ…いや、あー…お前さんも相当重症らしいな。」
そう言ったサンズの姿に、何故かオイラはザワリとした感覚がソウルを襲った。
「そうやって笑ってないとやってけねぇよな…分かるぜ、その気持ちは。」
肩をすくませるサンズの動きに、何故だかオイラは吐き気を覚えた。
分かるぜ、その気持ち?
本当にお前さんにオイラの気持ちが…分かるのか?
その履歴で、その程度の過去で、オイラのこの…この…。
「…………A…?」
「……いや、何でもないさ。少し理解者が居るってのが違和感があるというか…不思議な感覚でな…ヘヘッ…。」
「ああ、そいつはオイラも同感だ。」
サンズの口から漏れた笑い声も、無機質な音に聞こえてくる。
それでもそれは悟られないように…大丈夫だ、オイラは今までどれだけ"笑顔"を塗りたくってきた?
誰も気付きなんてしないさ。
そうだ、誰も…気がついちゃいけないんだ…。
「A、もう帰ろうぜ?パピルス達も心配してるしな。」
「帰ったら説教か…ヘヘッ…パプは長いからな。」
そうさ、オイラはもう慣れてる。
諦めるのは誰よりも得意さ。
裏切られるのも…な。
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mk猫(プロフ) - レミィ「お前もソウルレスか、、、」 (2018年10月14日 18時) (レス) id: a5d9075f7e (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 自衛隊員さん» 果たしてどうなのか← (2018年10月14日 14時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
自衛隊員(プロフ) - ハニー→ケチャップ→グリルピーって感じですかね。ディ「かもな。」 (2018年10月13日 22時) (レス) id: d960d22aa5 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 鉄切り歌さん» ケチャップ「ヘヘッ…いやいや、まさかなぁ?」 (2018年10月13日 19時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 闇鍋ソースさん» ハニーはいっつもこうなんだよなぁ(←お前次第だよ。) (2018年10月13日 19時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
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