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泣いて良いんだ サンズside ページ7

ハラハラと涙を流すAの横顔に、オイラは呼吸するのも忘れて魅入った。

フードを深く被っていて、目元は見えないが噛み締めた唇が少しだけ白くなっている。

何故かそう、目が離せないんだ…。


「……A…。」


その時だった、ハニーがAを後ろからギュッと強く抱き締めた。

Aはビクリと肩を大きく揺らし、身体を固くしている…心なしか、口元がひきつっている様にも見えた。


「ねぇ、もっと声を上げて泣いて良いんだよ…辛いなら。此処には俺達しか居ないんだからさ…抱え込まないでよ。」


優しくそう言って、フード越しに頭を撫でたハニー。

Aの口は、どんどんヘの字のように歪んでいった。


「そうだ、A…ハニーの言うとおりだ…毒抜きも必要さ。泣きたいときに泣けないでいると…泣き方も忘れちまうぞ。」


その言葉は、まるで自分にも言い聞かせているようで…少しだけソウルがキュッとした。









「……な、ん…でっ……。」









蚊の鳴くような、掠れた声が確かにオイラの耳に入った。


「…何で……オイラの大切な人達…は…皆居なく…なるんだっ…。」


大粒の涙を流しがら、必死に涙を手で拭うAにオイラもいたたまれなくなって前から抱き締めた。

抱き締めたAは、思っていたよりも細くて頼りなくて…この背中にどれだけ沢山の物を背負っていたのか…考えただけで悔しくなった。


「ティアもアズリエルも…親父も…グリルビーも、トリエルさん達も!みんなみんな…居なくなる!オイラを置いて…!オイラが悪いのか?もっと賢かったら…皆を助けられる方法が…分かるのかっ…!」


「A、大丈夫だよ…俺達は置いてかないから。大丈夫。」


「A、もう一人じゃないからな。一緒に背負ってやるさ…その重荷を。」


置いてかないで…そう縋るように言葉を漏らして、泣きじゃくるAの姿はまるで子供のようで…オイラはギュッと強く抱き締めた。

お前さんは、小さい頃から強いられてきたんだなきっと…背負わされる生き方を。

弟を守らなきゃいけない…けど、まだ子供の自分。

めいいっぱい背伸びして、必死にもがかなきゃいけなかったよな。

大丈夫だA、オイラ達が居るから…だから必ずお前さんを守ろう。

もう誰も失わせないように。









オイラはそう強く決意した。

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よる - 前のも読んだが、物語が結構深いな。 でもこの話が好きだから、これからもコツコツ頑張ってくれよ? (2019年4月2日 12時) (レス) id: ce46b76302 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - フェリィさん» エコー「ああ、本当に…。」 (2018年11月6日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - mk猫さん» エコー「いや、もう結構さ。」 (2018年11月6日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 鉄切り歌さん» 謎の説得力が…! (2018年11月6日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - ナイフとパイさん» ご冥福を…! (2018年11月6日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くらげ丸 | 作者ホームページ:http//  
作成日時:2018年10月14日 14時

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