変わり果てた貴方 ページ19
「…………待て……!」
「………!……おや、おやおや…まさか…本当に此処まで来るとは…。」
とても驚きだよ…そう言って、笑みを浮かべた親父にオイラはゾッとする何かを感じた。
指先の震えを隠すように、ポケットへと手を突っ込む。
「………親父……。」
「どうしたんだい、A?ほら、感動の再会と行こうじゃないか…愛しい娘よ。」
ゆっくりと腕を広げた親父に、俺は深く息を吐き瞳を青く煌めかせる。
「………!?」
「……うわっ…!?」
そのまま、フリスクとキャラを重力操作で引き寄せサンズとハニーの所へそれぞれ飛ばした。
背を向けていて分からないが…きっと、受け止めた筈だ。
「……親父……親父は、死んだんだよな?オイラの目の前に居る親父は…親父であって親父じゃないんだろう。」
「フフ…フハハ…!ああ、ああ本当に…相変わらず賢い子だねA…そう、君の…君達の父親はもう居ないのさ。この世界の何処を探してもね?」
愉快そうに笑い声をあげる親父に…いや、"親父だった"人にオイラはギリッと唇を噛み締めた。
何度願っただろうか、もう一度…親父に会いたいと…そんな事は叶わないと分かっていても。
ずっとずっと思っていた。
でも、アンタのお陰でオイラ分かったよ…死んだらもう二度と戻ってこないって。
例え姿や形、声、記憶…全部が同じでそっくりでも…今目の前に居るのは紛れなく親父じゃない別人。
死んだら二度と戻ってこない…絶対に…。
アンタを見て、オイラは…気づかされたんだ…だから…。
「オイラはアンタを絶対に止めてみせる。」
ガガガガッ!
床を突き破って生えた骨を、親父はまるで分かっていたかのようにヒラヒラとかわす。
「酷いな、A…アンタなどと呼ぶのかい?」
「ああ、そうさ。オイラこれでも感謝してるんだぜ?アンタが親父だったら、きっと情が湧いてた…だけどアンタはもうオイラの親父じゃない。手加減する必要も…ない。」
スッと手を向けると、親父は愉快そうにまた笑みを深める。
「フフフフフ…敵対か…まあ、そんな事はどうでも良いさ。どのみちA…君とパプには協力して貰わなくてはいけないからね?」
魂があっても、それを受けとめる肉と骨がなければ意味が無いだろう?
その言葉に、オイラの視界は真っ赤に染まった。
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よる - 前のも読んだが、物語が結構深いな。 でもこの話が好きだから、これからもコツコツ頑張ってくれよ? (2019年4月2日 12時) (レス) id: ce46b76302 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - フェリィさん» エコー「ああ、本当に…。」 (2018年11月6日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - mk猫さん» エコー「いや、もう結構さ。」 (2018年11月6日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 鉄切り歌さん» 謎の説得力が…! (2018年11月6日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - ナイフとパイさん» ご冥福を…! (2018年11月6日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
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