此所は何処…? フリスクside ページ2
「…………ぅ…。」
鈍く痛む頭を押さえながら起き上がると、僕はとても薄暗くて広い場所に居た。
床や壁は鉄のような物で出来ていて、見渡した限りドアのような物はない。
「…………!!?……こ、これは…!!!!」
不意に上を見上げると、シャボン玉のような物の中で、AUの皆…つまり異世界の僕が沢山閉じ込められていた。
それは全部上の方で浮いていて、手は届きそうになかった。
「一体…どうなってるの?僕は何で此処に…。」
「………イタタ…。」
「………!この声は…キャラなの!」
「え?あ、もしかして…オリジナルの…フリスク?」
「そうだよ!君はswapのキャラだよね!」
「アハハ…そうだよ。」
キャラに駆け寄り、僕は怠そうにフラつく体を支えてあげた。
キャラはありがとうと小さくお礼を言うと、眉をグッと寄せて辺りを見渡した。
「ドアも何もない…自力で出るのは不可能そうだね。」
「うん、それに…見てよあれ。」
「…………!?あ、あれは…どうなって…!!!」
驚愕した表情で、上を見上げたキャラに僕も同じくまた見上げた。
僕らだけが…あの球体の中に入っていないのは、何故?
「……取り敢えず、此処を抜け出せないと話にならないよね。」
「……そうだね…キャラ、何か考えがあるの?」
そう聞くと、キャラはニッと口端をあげてこう答えた。
「あるさ、きっと此処へ誰かが様子を見に来る筈だ。そのタイミングを見計らって、ソイツが出入りした入り口へ一直線に走るのさ。」
フフン!と胸を張りながらそう言ったキャラに、僕はヤンワリとただ笑んだ。
何だかホッとしてしまうな…。
「今はそれしか手立てが無さそうだもんね…わかった、じゃあその作戦でいこう。」
「そうだね、じゃあフリスク。少しそこの大きな柱の所で、隠れててくれない?」
「キャラは?キャラも隠れなくて良いの?」
そう僕が言うと、キャラは静かにこう告げた。
「うん、まぁね。僕はちょっと用事があるからさ。」
その冷たさを含んだ声に、僕はただ頷く事しか出来なかった。
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よる - 前のも読んだが、物語が結構深いな。 でもこの話が好きだから、これからもコツコツ頑張ってくれよ? (2019年4月2日 12時) (レス) id: ce46b76302 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - フェリィさん» エコー「ああ、本当に…。」 (2018年11月6日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - mk猫さん» エコー「いや、もう結構さ。」 (2018年11月6日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - 鉄切り歌さん» 謎の説得力が…! (2018年11月6日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ丸(プロフ) - ナイフとパイさん» ご冥福を…! (2018年11月6日 22時) (レス) id: 1bdc3befa6 (このIDを非表示/違反報告)
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