学園ヘタリア★菊の妹。

第三十四話：二人。　〜イタリアside〜 ページ38

ここまで来れば、大丈夫、かな…。

あれ？

イタ「Aちゃん、大丈夫？息荒いよ？」

貴「全然…、大丈夫じゃ、ないのだが…？」

もしかして…。

イタ「Aちゃん、体力ないの？」

貴「…だいぶ前に、言ったはずだ…。」

ふーん。

貴「で、なんでわざわざ、逃げてきたんだ？」

イタ「ん〜っとねぇ、イギリスが居たから！！」

なんてね。本当は全然違うけど。

貴「そうか。…そうだ、ふぇり。」

イタ「なになに？どうしたの？」

さっきイギリスに聞いてたアンケートかな？

貴「いや、あれとは別件で…。」

イタ「ふ〜ん、そっかぁ…。って、え！？」

そうだった！Aちゃんは読心術使えるんだった！！

貴「…思いっきり口に出てたけどな、ふぇりの場合。」

イタ「ヴェ…。そ、それで？何なの？」

貴「ん…。いや、大したことじゃないんだが…。」

イタ「いいよ〜？俺にわかることなら全然ＯＫ〜」

何かな〜？

貴「………ふぇりにとって、絶望は、どんな色をしてる？」


え？

イタ「…俺、難しいことはわかんないよ？」

貴「適当でいい！勘とかで良いから！」

Aちゃん…？

イタ「なんでそんなに必死なの？」

貴「そ、れは…。」

イタ「ねえ、なんで？Aちゃん、もしかして、死ぬ気なの？」

貴「…なんだって良いじゃないか。…大丈夫、人形は、もともと生きてなんかいないから。」

…俺は、

イタ「そんな風に、自分を低く見る人、嫌いだな」

貴「…そう。」

イタ「でもね、絶望の色はたぶん、よくある答えだけど、

灰色、とかじゃないの？」

だって、ほら。

イタ「よく言うでしょ？『灰色の絶望』って」

貴「…うん。ありがとう。

…それじゃ。」

イタ「待って！」

聞かれた時から、疑問だった。

イタ「Aちゃんには？

Aちゃんにとっては、絶望は何色？」

人に聞くって事は、自分の中にも多少の答えが出てるはずだよね？

貴「……私にとって、は……。


絶望は、真っ赤だった。深紅と言ってもいい。」

それって…。

イタ「Aちゃん、それは、つまり…」

貴「…じゃあ、寮に帰らなきゃいけないから。」

逃げるように走っていくのは、ＹＥＳってことだよね？

イタ「何があったの…？」

知りたい。絶望が、血の色をしているって言う、君の心が。

知りたい。どうすれば、そんなことを言う君を、救えるのか。

…救ってみせる、俺が。日本でも、ロシアでも、イギリスでもなく。俺が、必ず。

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