学園ヘタリア★菊の妹。

第十九話：隠されていた本。 ページ22

出てきた本の表紙を開く。

すると出てきたのは…。

ハン「…白紙？」

新しめの表紙に似合わず、古い紙のページ。

白紙？いや、違う。これは…。

『日記、もしくは記憶の頁。』

ハン「え？日記？」

『はい。それと同等の物ですが、特定の人物にしか解読できません。』

止めろ。

ハン「え？A…じゃないの？」

『Aであり、Aではありません。』

それ以上は、

『満洲国は大日本帝国によって作られた、傀儡国。操り人形ですから。』

ハン「そんなこと言わないで！AはAよ！！」

もう、この人には、

『人と同じ体を手に入れても、情報が入りきらないので、これに記されるのです。』

闇を、見せるな…！！！

ハン「あなた、一体…！！」

体が思い通りに動かない。まるで『私』は眠ってしまったように。

いや、それよりは。

『Aの覚醒した状態、とでも思ってください。Aが本に触れたために、起動しただけなので。』

無理矢理私が黙らされているような。

貴「…黙れ。」

ハン「え？A？」

貴「何だ？」

ハン「いえ、あの…。今の…」

貴「忘れろ。全て。血塗られた世界に居たくないなら。」

ハン「A…」

お願いだから、これ以上は来ないでほしい。あの場所に居るのは、私一人で十分だから。

ハン「…ねえA、『芹と少女』って題から、私が勝手にオリジナルの台本作るって言うのはどうかしら？」

え？

貴「な、ハンガリー！？」

ハン「ダメ？題名的には良いものが書けそうなんだけど」

貴「…別に、構わないけど。」

本当に、不思議な奴だな。あんな物を見て、そんな事が言えるなんて…。

ああでも、あの文面は見えてなかったのか。

あの…、初めて見た景色は、血みどろの焼け野原だったっていうのは。

それを知っても、仲良くしてくれるだろうか？

私の手は、とうに血にまみれていたとしても…。

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