学園ヘタリア★菊の妹。

第十三話：保健室で。　〜イタリアｓｉｄｅ〜 ページ16

俺はAちゃんを抱えて階段をかけおりていた。

もちろんお姫様抱っこ！

イギリスだけズルい！！

・・・。

彼女でもないのに、ただ片思いなのに、

Aちゃんを誰にも触らせたくなかった。

イタ「あ！そういえば、今日は保健の先生お休みなんだっけ〜。

てことは、Aちゃんと二人っきりになれる・・・かも？」

そんなわけないか、と思って、保健室の扉を開ける。

イタ「やっぱり誰も居ない・・・か」

じゃあ二人っきりだね〜。

ベッドにAちゃんを寝かせる。

そういえば、まだ巫女さんの格好のままだ。

イタ「ヴェ。ハンガリーさんが着替え持ってきてくれればいいんだけど・・・」

貴「ぅ・・・ん。」

あ、起きるかな？意外と早かったね〜。

貴「ぃ・・ゃ・・ぁ。きく、に・・・」

・・・Aちゃん、泣いてるの？

どうして？悪い夢でも見てるの？

でも、これだけはわかる。

Aちゃんにとって、一番大事なのは、日本なんだ。

イタ「Aちゃん・・・」

俺を好きになってほしい。

俺だけを見てほしい。

俺が、君を泣かせる悪い夢なんて、全部忘れさせてあげるから・・・。

だから・・・。

貴「・・・っ！！」

！？

イタ「Aちゃん、大丈夫！？」

貴「ぃた、りあ？」

良かった。Aちゃん、もう泣いてない。

イタ「ヴェ〜、大丈夫？

ずぅっとうなされてたんだよ〜」

Aちゃんは一瞬ビクッ、と身を震わせた。

貴「・・・私、たまにあるから。こういうこと。」

前にもあったってことか。

イタ「ふうん・・・。ねえ、一つ聞いても良い？」

貴「何だ？」

イタ「Aちゃん、好きな人、居るの？」

Aちゃんはすっごく顔を真っ赤にした。

ロシアに息吹きかけられた時よりも、イギリスに抱っこされた時よりも。

貴「な、ななななな。何をいきなり・・・！」

イタ「うん、そうだね。でも、俺、Aちゃんが好きだから、知りたい」

Aちゃんはちょっと考えて言った。

貴「・・・そうだな。多分、今のイタリアになら言える。」

え？

イタ「どういう意味？」

貴「イタリアが、ちゃんと本音で話してくれているから。」

冗談だ、って笑われると思ってた俺には、嬉しすぎる一言だった。

貴「――、だよ。」

冗談だと思った。でも、君の顔は、真剣だった。

イタ「・・・わかった。じゃあ、そろそろ俺も本気出さなきゃね」

君は覚えているかな？あの日、俺は―。

第十四話：イタリアの苦悩。　〜九割イタリアside〜→←第十二話：「お姫様抱っこ」というもの。

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