episode.174 ページ39
バッ！
ジェ「え………」
熊とジェイドの間に何が降りてきて、華麗に着地する。
一瞬、海の中を優雅に泳ぐ人魚かと思ったがよく見ればジェイドも見慣れたナイトレイブンカレッジの体操着。
そして2つに結ばれた白髪が波をうつようになびき、熊を見つめる紫色の瞳は宝石のアメジストのように輝いていた。
そう、熊とジェイドの間に降りてきたのは人間の少女だったのだ。
ジェ「貴女は………」
「……………………」
熊「グルルルル………」
ジェイドは目の前の光景に唖然としていると、彼女はジェイドに目を向けず威嚇している熊に近づき熊の腕に触れた。
すると熊は体が思うように動くようになって、腕をゆっくり降ろすとジー……と彼女を見た後怒りがおさまったのか背を向けてゆっくり森へ戻っていく。
ジェイドはしばらくその光景を凝視していると遠くから声が聞こえてきて、目の前の少女は声のする方を向いた。
ユ「コトハちゃーーん！ボールあったー！？」
グ「ユウ、オメーオレ様の投げたボールくらい簡単に取れないなんてめちゃくちゃ体力ないんだゾ」
ユ「あんなむちゃくちゃな投げ方したボール取る方が難しいよ！ごめんねコトハちゃん！」
フルフル
聞こえてくる声に対して少女は首を横に振るとゆっくりジェイドの方を向く。
正面から見つめ合う形になったジェイドは驚きつつ少女を見ていると彼女は頭をペコッと下げて颯爽とその場から去っていった。
ジェ「！ま……」
ジェイドはすぐに立ち上がって彼女を呼び止めようとしたが木々をつたって去っていくその背中を呆然と見つめていた。
ジェ「………なんて美しい……人なんでしょうか」
ジェイドは思わず、呟き彼女がいなくなったその場をしばらく見つめていたのだった。
過去を振り返り、ジェイドはガラスに手を触れてその名を呟いた。
ジェ「コトハさん……ふふ、会うのが楽しみです」
フ「ジェーイド、何してんの」
ジェ「フロイド」
突然、背後から話しかけられその声で誰か察したジェイドはクスクス微笑みながら振り返り双子の兄弟の名を呼んだ。
フ「アズールが呼んでるよ〜契約違反者がもうすぐ来るからいつものお願いって〜」
ジェ「そうですか、なら行きましょう」
フロイドの話からアズールの言っている事を察すると寮服の帽子をかぶり直してアズールの元へと歩いていく。
もうすぐ、あの時の少女と出会える事を楽しみにコツコツと足音を鳴らして歩くのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 281人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るーるる(プロフ) - ppさん» pp様初めまして！コメントありがとうございます＼(^o^)／ヒロアカは面白いですよ！あまりヒロアカキャラが出てきませんがヒロアカに興味をもってもらえて嬉しいです(^o^) (2021年10月18日 22時) (
レス) id: b0a0d71504 (このIDを非表示/違反報告)
pp - 初めまして。この作品でヒロアカのこと知りました(時代遅れすぎる)。めっっっっっっっっっっっっちゃさいこうです！ 続きも頑張ってください！ (2021年10月18日 18時) (レス) @page48 id: f5d7639b7a (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - るーるるさん» 知ってるアニメは何ですか？怪談レストランは知ってます？後、一緒に合作しませんか？ (2021年9月28日 22時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
るーるる(プロフ) - 星猫さん» 初めまして！コメント、高評価ありがとうございます！！これからも応援よろしくお願いします(*^^*) (2021年9月28日 22時) (レス) id: a237b45332 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして！とっても素敵ですね！高評価しました！ (2021年9月28日 22時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
