異世界の魔法使い 2 (ページ10)

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第46話ページ10

ラ「ぐふっ……すまない……」

「だ、大丈夫………？」

ラ「ああ……今の笑顔、アンナによく似ていた………」

「笑顔……？似てた……？」

鼻を押さえながらフラフラ動くランスの言葉にシオンが首を傾げていると、腕をガシッと握られた。

ガシッ！

「！？」

ラ「もう大丈夫だ、シオン。お前の敵は俺の敵…………これから何が来ようが必ず守ってやるからな」

「？？？」

ラ「ところでシオン、今どこに行こうとしてたんだ？」

「えっと………課題が出てたから………厨房に行こうとしてて…………」

ガシッ！

ラ「なら俺も行こう」

「え、え」

ラ「安心しろ。長男として完璧な課題ができるよう俺が全力でサポートしてやる」

「あ、う」

ラ「その前に行くところがあるな………」

スタスタスタ………

(…………とりあえず、怖い)

急に腕を掴まれたかと思えば、そんな事をいわれ流れるがままランスについていくシオンだった。

ー302号室ー

マ「いやーそれにしても今日何もなくて平和だ」

フ「そうだね………」

マフ「「………………………」」

フ「いやあるよ！！課題が！！」

くわっ！

マ「え？そうなの？」

その頃、マッシュとフィンの部屋では2人は大騒ぎしていた。

フ「まずいまずい！忘れてた！！魔法薬学の課題があるよそういえば！！提出しなきゃ大幅減点で自主退学見えてくるよ！！」

マ「……………………」

スッ

マ「食べる？」

フ「危機感の欠如！！」

マ「ごめん」

発狂しているフィンに対し、まだ状況を理解していないのかフィンはシュークリームを渡そうとしたが無駄に終わった。

フ「ああああああ！！！やらなきゃやらなきゃ！！」

ラ「そんなこと、まだやっていないのか？」

マフ「「！」」

フィンとマッシュが頭を抱えているといつの間にか部屋に入ってきていたランスと、ランスに手を引かれてぷるぷる震えているシオンを見て2人は驚いた。

フ「ランスくん！！」

マ「あっシスコン」

フ「と、シオンちゃん……って顔青白！！大丈夫！？」

「………………………」

ブルブルガタガタ…………

フ「全然大丈夫じゃなさそうだ………」

マ「またシオンちゃんをいじめてるの？それ以上いじめるなら殴るよ」

ラ「いじめていない、兄として守っているだけだ」

フ「兄として…？……ちょっと何を言っているのかわからない」

ラ「そんな事より典型的な劣等生だな、お前らは」

フ「(そんな事より…？)もしかして」