異世界の魔法使い 2

第40話 ページ4

「え……」

ラ「は？何言って………」

マ「シオンちゃんは凄くビビリなんだ、初対面の人が挨拶をしただけで震えるくらい。そんなシオンちゃんが君にここまでいったんだよ、むしろ強い心を持ってる」

「っ………………」

ラ「また仲良しこよしか、反吐がでる。だったら2人一緒に倒すだけだ」

『グラビオル』

ズン！！

「わ！？」

ガシッ！

ランスが杖を構えて呪文を唱えると鈍い音と共に2人の足元が崩れた。
突然地面が割れてシオンが転びそうになった瞬間、マッシュが彼女を抱き寄せる。

しばらくした後、目を開くと目の前の光景が先程とかなり変わって彼女達の周りだけを残し全て崩れていた。

ラ「その前に少し、やりやすくしようか」

「っ……………」

マ「シオンちゃんそこにいてね」

「え」

ドッ！！

マ「そういうパフォーマンスは必要ない」

「マッシュくん！」

ラ「魔法なしでオレに勝つつもりか？グラビオル」

グン！！
ズン！！！

「！」

マッシュはシオンの無事を確認し、すぐランスの間合いに入ると拳を振り上げた。

だが、ランスは避けることもなく杖を再びマッシュに向けて呪文を発するとマッシュは地面に埋もれてしまう。

その光景を見てシオンは思わず口を塞いだ。

メキメキ！！

トレ「「マッシュ(くん)！！」」

ラ「ふざけてんの？お前。中途半端なことしやがって。どうせたいした目的も無いんだろ？その感じじゃ。それなのにお前が銀の級硬貨(コイン)を持ってるなんて…………いらないんだよ、オレと同じ次元に立つ人間は。最後に立ってるのはオレ1人だけでいい。お前みたいなカスは一生地面に這いつくばってろ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ！！

「ま、マッシュく……」

ズズ………

どんどん地に伏せていくマッシュを見てランスは吐き捨てるように言う。
それでもマッシュは何とかしようと抗っていた。

ラ「立とうとしてもムダだ。人間の力じゃこの重力には耐えられない」

ズン！

「！」

マ「立たなくても十分だよ」

ビキビキビキ！！
グボッ！！


バガッ！！

ラ(なっ……地面が割れた！？………根っこ！？まさかそれを引き抜いて……そんなバカな………)

マッシュは勢いよく腕を地面に突き刺すと力いっぱい木の根っこを抜いてランスに攻撃する。

ランスは間一髪根っこを避けたが、彼の力に身震いした。

ザッ

ラ「！」

マ「あれ？君も本当は這いつくばるの好きなの？」

ラ「…………」

「……どうしよう……私………」

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